ディズニーは、2010年に公開された人気アニメ映画『塔の上のラプンツェル(Tangled)』の実写リメイク企画を一時的に中断したと報じられた。その背景には、最近劇場公開された実写版『白雪姫』の興行成績が伸び悩んでいることがあると見られている。
『塔の上のラプンツェル』の実写化はすでに準備が進んでおり、『グレイテスト・ショーマン』で知られるマイケル・グレイシー監督が決まり、脚本も『ソー:ラブ&サンダー』の共同脚本家ジェニファー・ケイティン・ロビンソンが担当していた。キャスト探しも始まっていたが、『白雪姫』の公開後、状況が一変。スタジオ側はこのプロジェクトを一旦保留とする判断を下した。
『白雪姫』の不振がきっかけか
実写版『白雪姫』は、2025年3月21日に公開されたばかり。制作費と宣伝費にあわせて2億7,000万ドルという巨額を投じたが、アメリカ国内では7,000万ドル、世界全体でも1億4,600万ドルと、期待外れの成績に終わった。
それに加え、主演のレイチェル・ゼグラーによる発言も波紋を広げた。彼女は原作アニメ(1937年)の内容を「奇妙で古臭い」とし、王子の行動を「ストーカーっぽい」と評したことから批判が殺到。また、映画の宣伝活動中にも自身の政治的意見を積極的に発信したことで、社内でも問題視されたという。
共演者の間にも緊張?
レイチェル・ゼグラーと共演のガル・ガドットとの間に、政治的な意見の違いによる摩擦があったとも報じられている。ゼグラーはパレスチナ支持を公言しており、一方のガドットはイスラエル国防軍に所属していた経歴がある。このような背景もあり、宣伝活動の場では緊張があったようだ。
こうした複合的な要因から、ディズニーは映画のレッドカーペットイベントを写真撮影のみに限定し、メディア対応を取りやめるなど、異例の対応を取ることとなった。
実写リメイクはこれまで好調だった
それでも、ディズニーの実写リメイク戦略がこれまで成功を収めてきたことは事実だ。2017年公開の『美女と野獣』はエマ・ワトソン主演で約12億6,300万ドルの興行収入を記録。2019年の『アラジン』もウィル・スミスのジーニー役が話題を呼び、10億5,000万ドル超えのヒットとなった。
同じく2019年公開の『ライオン・キング』(実写風CGアニメ)も大成功を収め、世界で16億ドル以上を稼いでいる。現在はそのスピンオフ作品である『ムファサ:ライオン・キング』の公開も予定されており、こちらも高い期待が寄せられている。
注目される次の実写化リメイク作品
このように、実写化作品がこれまで好成績を収めてきたことを考えると、ディズニーがこの路線をすぐに完全撤回するとは考えにくい。
現在、ディズニーは『リロ&スティッチ』や『モアナ』といった実写版作品の公開を、今後1年半以内に予定している。これらの作品がどのような評価を受け、どれだけの興行収入を上げるかによって、『塔の上のラプンツェル』の実写化が再び動き出すかどうかが左右されるだろう。
また、公開直後こそ厳しい声が目立った『白雪姫』だが、作品の評価が長期的に変化することは珍しくない。SNSや海外市場での再評価、ファンの支持などをきっかけに、後から盛り上がりを見せる可能性もある。ロングランヒットとなれば、『塔の上のラプンツェル』実写化の判断にも影響を与えるかもしれない。

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