俳優、ベン・アフレックと言えば、1979年から1980年にかけて発生した在イランアメリカ大使館人質事件を題材とした『アルゴ』にて監督・製作・主演を務め、第85回アカデミー賞作品賞を受賞するなど大きな話題となった。実話を基にした作品を作り上げることに高評価を得ているベンが次に着目したのが、アメリカの有名小説だという。
米Deadlineによると、ベンはアダム・ホックシールドが1998年に出版した『レオポルド王の霊(原題:King Leopold’s Ghost)』原作の映画で監督を務めるという。
『レオポルド王の霊(原題:King Leopold’s Ghost)』は、1885年から1908年にかけてベルギー王レオポルド2世の私領地であるコンゴ自由国(現在のコンゴ民主共和国)が舞台。暴虐や強制労働、虐殺などについて描いている。レオポルド2世治下の20年間ほどで1000万人にものぼるコンゴ人の犠牲者が出という。
またこの本は、9つの出版社に断られたものの、一般向けの歴史関連書籍として出版。予想外のベストセラーとなり、翻訳版を含めて約40万部以上も発刊された。ハーバード大学とコロンビア大学による「マーク・リントン歴史賞」も受賞している。ちなみに、2006年に同名タイトルでドキュメンタリー映画が製作された。
ベンが監督を務める新作では、メル・ギブソン監督のスリラードラマ『アポカリプト』などでも知られるファルハド・サフィニアが脚本を務める。長編映画を企画する前はリミテッドシリーズのドラマとして製作することを考えていたのだという。
また、ベンは個人的に「コンゴに対する正義」に興味を持っており、2007年には東今後の人道危機を研究・調査し、議員などと面談ののち2008年にレポートを発表。その後、コンゴの難民を題材とした短編映画を公開。また2010年には東コンゴ・イニシアティブを設立し、性的暴行の生存者を支援したり、医療機関や教育へ力を入れた。そして、世界貧困プロジェクトのキャンペーンの一環である「1日150円の生活」に、2013年4月29日から5月3日までの5日間挑戦するなど、積極的に活動している。
2007年よりコンゴのために行動しているベンが監督の『レオポルド王の霊(原題:King Leopold’s Ghost)』は、きっとリアルな作品となるだろう。もしかすると『アルゴ』を超える超大作になるのかもしれない。