10月に3枚目となるアルバム『ポニー』をリリースした21歳の神童=レックス・オレンジ・カウンティ。アメリカ、カナダではキャリア最高位となる初登場3位、イギリス、オーストラリアでは初登場5位を記録。飛ぶ鳥を落とす勢いの彼は先週11月26日(火)~28日(木)の3日間に渡りロンドンのにてキャリア最大規模となる公演を行った。
全ての日程がソールドアウトとなり、計15000人が熱狂した同公演の最新ライブ・レポートが到着した。レックス・オレンジ・カウンティ=アレックスは「一生忘れる事のできない時間」と述べ、ファンに感謝の気持ちを述べている。来年1月に行われるキャパ約6000人のニューヨーク公演も既にソールドアウトしており追加公演の開催も決定している。日本でも最新アルバム『ポニー』を引っ提げての単独来日公演の開催に期待したい。
レックス・オレンジ・カウンティ:ロンドン公演ライヴ・レポート
2019年11月26日(火)*現地時間 @O2 Academy Brixton London
自主制作から出世街道を駆け上った如く、先月の10月にSONYよりアルバムを発表したレックス・オレンジ・カウンティ―が、現在の彼のホームグランドである街、ロンドンのブリクストン・アカデミーにて、3連夜ライブを行った。全ての日程で完売となったこの公演は、彼がまだサウンド・クラウドで曲を公開していた頃からサポートしている同年代のサポーター達が沢山集まり、開幕前から会場中のテンションがヒートアップしているのが感じられた。
大興奮のなか、舞台のカーテンの脇から黒のTシャツとスウェットパンツで現れたレックスがまず2台のキーボードに腰掛け、新アルバムのオープニング曲である「10/10」のイントロをピアノの音色で弾き始めると、カーテンがゆっくり開き、青空と雲が描かれた背景と、雲を思わせるスモークの中からサックス、トランペット、ベース、ギター、ドラムのバックバンドが現れ、観客一同大合唱。歌詞中の「ホームに帰るのが待ちきれない」部分のすぐ後に、「ホームに帰ってきたよ!」と彼が叫ぶと、ファン達は更に感激の声を上げた。
続いて「Laser Lights」と「Face To Face」の新曲を披露。新曲にも関わらず歌詞をしっかり覚えているレックス・ファン達の思い入れにはびっくりさせられる。ライブ開始初のトーク、「僕の名前はレックス・オレンジ・カウンティ。ポニーのツアーにようこそ!マンチェスターとかダブリンとかグラスゴーとかあちこち行ったけど、やっぱり自分のホームであるロンドンでやれる事は本当にうれしいよ。ポニーのツアーだけど、アプリコット・プリンセスからの曲、歌ってもいいかな?」と、彼の出世作と言われる前作のアルバムから「Never Enough」を披露。サビの部分では会場が飛び跳ねて踊る。「これからは新しいアルバムから歌うね」とキーボードに戻り、傷つきやすい男心をサラッと歌う「Stressed Out」を。「次はこの新しいアルバムの中で僕にとって一番大切な曲で、みんな一緒に歌ってくれるとうれしいよ」と話し、新アルバムの中で人気の「Pluto Projector」をギター一本で歌う。その間、バックバンドがいる舞台の後方のカーテンが降り、「僕と君たちだけになっちゃったね」と照明が落ちてスポットライト一つの中、「Untitled」を唄い、「まだみんな一緒にいるよね?僕の歌じゃないんだけど…」とEd SheeranとJustin Bieber のI Don’t Careをレックスらしいアレンジでカバー。
「ちょっと教えてあげようか、この曲は自分の人生の中で一番最初に作った曲なんだよ。みんな知っていたら一緒に歌って」と自主制作一枚目である『bcos u will never b free』から「Corduroy Dreams」を披露。彼の名を一瞬のごとく世間に知らさせたヒット曲、「Sunflower」では、バックの幕が開き、まさにこの曲を象徴するかの如く、新アルバムのイメージキャラであるポニーに象った銀色の風船が舞台に登場し、ポップで鮮やかなライティングと紙吹雪が発射され会場の盛り上がりはピークに達した。「これからちょっとスローダウンするけどいいかな?」と「4 Seasons」、新アルバムからは「It Gets Better」。「今夜はみんなからの愛を感じるよ。愛についてなんだけど…」と、ベニー・シングスがフィーチャーしたポップ・ナンバーの「Loving Is Easy」では会場中、両手でハートを作り、ステージにいるレックスへ愛を送っていた。ライブ最後となる一曲は、新アルバムの最終曲である「It’s Not The Same Anymore」。そしてアンコールには「Always」で締めくくり、しっとりと彼と合唱し、最後に発砲された紙吹雪で多いに盛り上がりレックス・オレンジ・カウンティ―の1時間半に及ぶポニーのライブが終了した。
(文: 佐藤瑞穂 )
リリース情報
Rex Orange County|レックス・オレンジ・カウンティ
ニュー・アルバム
『PONY|ポニー』
<輸入・配信アルバム>
絶賛発売中!
<収録曲>
01. テン・アウト・オブ・テン
02. オールウェイズ
03. レイザー・ライツ
04. フェイス・トゥ・フェイス
05. ストレスト・アウト
06. ネバー・ハッド・ザ・ボールズ
07. プルート・プロジェクター
08. エブリ・ウェイ
09. イット・ゲッツ・ベター
10. イッツ・ノット・ザ・セイム・エニモア
【再生/購入リンク】 https://lnk.to/ROCPONY
レックス・オレンジ・カウンティ:プロフィール
●1998年生まれの21歳、ロンドン郊外に位置するサリー州ハスルミア出身。
本名:Alexander O’Connor/アレクサンダー・オコナ―
●アバやクイーン等ドラマティックでメロディックなグループに影響を受ける一方、グリーン・デイやウィーザー等のアメリカン・ポップ・パンクにも魅かれる。
●独学でドラム、ピアノを演奏していたが16歳の時、アデルやエイミー・ワインハウスもかつて通ったという名門音楽学校、“BRIT School for Performing Arts and Technology in Croydon”に入学。
●この頃よりスティーヴィー・ワンダー等往年のソウル系ソングライターに傾倒。ギターの演奏を始めLogic softwareでソロ・ミュージックのプロデュースを始める。
●2015年、「怒りと、悲しみと、自分を憐れみ、情けない思いに駆られて作った」という初の自主制作アルバム
『ビコーズ・ユー・ウィル・ネバー・ビー・フリー』をリリース。
●同作品がタイラー・ザ・クリエイターの耳をとらえ、当時17歳であったREXをLAに招いてのレコーディングを決行。彼が参加した「ボアダム」と「フォーワード」は2017年にリリースされ全米初登場2位を記録したタイラー・ザ・クリエイターの4作目のアルバム『フラワー・ボーイ』に収録される。
●2017年、タイラー・ザ・クリエイターとのコラボ経験をさらに昇華させ、本人曰く「デビューアルバムとは真逆」と称する2ndアルバム『アプリコット・プリンセス』をリリース。
●2017年の終わりに“Edition”と”Loving is Easy”をリリース。
●2018年、“BBC Sound of 201”で栄えある2位に選出される。
●サマーソニック2018で来日を果たし、その素晴らしいライヴ・パフォーマンスで大きな話題を呼ぶ。
●2019年9月13日、ソニー・ミュージック移籍第一弾シングル「10/10」をリリース。
●2019年10月25日、3rdアルバム『ポニー』をリリース。