2019年1月1日に生誕100周年を迎えた小説家J.D.サリンジャーの半生を描いた映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』より、今なお新たなファンを獲得し続けている小説「バナナフィッシュ」が産声を上げた瞬間が公開された。
世界中で累計6,500万部を突破した”青春のバイブル”「ライ麦畑でつかまえて」。映画では、この20世紀を代表する名作を生みだした作家サリンジャーのこれまで語られてこなかった謎に満ちた半生、そして小説の誕生秘話を描き出す。
圧倒的な名声と富を手に入れながら、なぜその絶頂期に文壇から姿を消したのか?これまで神秘のベールに包まれてきた、孤高の天才作家サリンジャーと傑作「ライ麦畑でつかまえて」のすべての謎が明かされる。
【動画】映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』特別映像
この度公開された映像は、「ライ麦」と並んでサリンジャー作品の中でもファンの多い短編小説「バナナフィッシュにうってつけの日」が生み出された瞬間。当時、戦争体験のトラウマからから抜け出すために東洋思想に傾倒していたサリンジャー。
瞑想やヨガの合間で物語を書き続けてたが、煮詰まると、導師の助言通りタイプライターから紙を抜き出し破り捨てていた。サリンジャーは、こうして書いた原稿を破り捨てることによって書く事の楽しみを再発見していく。
その中で、長いスランプを乗り越え生まれたのが、「バナナフィッシュにうってつけの日」。主人公シーモア・グラースが拳銃自殺をするまでの1日を描いており、サリンジャー29歳、1948年1月31日のニューヨーカー誌での掲載となった。また、この作品は文壇から高く評価され、作家としても注目を集めるきっかけに。
「バナナフィッシュ」といえば、昨年夏から年末にかけて放映された吉田秋生原作のアニメ「BANANA FISH」が人気を博したばかり。このアニメでは、死を招くクスリとしてバナナフィッシュという名称が登場する。アニメ最終回のタイトルが「ライ麦畑でつかまえて」だったこともあり、このアニメをきっかけにサリンジャーに再注目する人も。今まさに注目されている作家のひとりだ。
ストーリー
1939年ニューヨーク。大学中退を繰り返していた20歳のサリンジャーは、作家を志しコロンビア大学の創作学科に編入する。愛読書「グレート・ギャッツビー」さながらマンハッタンの社交界に顔を出し、セレブのウーナ・オニールと電撃的な恋に落ちる一方で、大学教授ウィット・バーネットのアドバイスのもと書き始めた短編を出版社へ売り込むが、ことごとく断られつづける。ようやく、自分の分身ともいえるホールデン・コールフィールドを主人公にした短編「マディソン・アヴェニューのはずれでの小さな反抗」がニューヨーカー誌に掲載決定という吉報が舞い込むがその矢先、太平洋戦争の勃発により、掲載はキャンセルとなってしまう。
招集を受け失意のまま戦地に赴いたサリンジャーに追い打ちをかけるように、アメリカに残して来た恋人ウーナがチャーリー・チャップリンと結婚するというニュースが届き、やがてノルマンディ上陸作戦に参加し、最前線の地獄を経験するサリンジャー。終戦後も戦争のトラウマから長らく執筆にとりかかることができなかったが、もがき苦しみながら完成させた初長編「ライ麦畑でつかまえて」は文壇の常識を破って発売直後から大反響を呼んでベストセラーとなり、サリンジャーは一夜にして時の人となる。突然スターダムに押し上げられ名声も富も手に入れたサリンジャーだったが、次第に世間の狂騒に背を向けるようになる…。
公開情報
『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』
1月18日(金)TOHOシネマズ シャンテ 他全国ロードショー
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