SFファンタジー大作「ハリー・ポッター」の作者であるJ.K.ローリングが、反トランスジェンダー(トランスフォビア)の意見を支持し炎上している。
ことのキッカケは税金専門家で著述家のマヤ・フォーステーターの発言。彼女は今年初め、「男性は女性になれない」「生物学的な性は変えることができない」とツイートしたとして、勤めていたシンクタンクから解雇処分を受けた。マヤは解雇が不当だと起訴していたが、今週、英ロンドンの裁判所はマヤの訴えを却下し、シンクタンクの決断が正しいと判断した。
これに対しJ.K.ローリングがリアクション。彼女はツイッターで「好きなものを着ればいい。自分の定義も好きなようにすればいい。相手が大人であれば好きな人と寝ればいい。平和と安全の中でベストな人生を生きればいい。だけど『性別というものはある(変えられない)』と発言した人から強制的に仕事を取り上げるのはどうなの?」と、反トランスジェンダーであるマヤの意見を支持する文章を投稿したのだ。
Dress however you please.
Call yourself whatever you like.
Sleep with any consenting adult who’ll have you.
Live your best life in peace and security.
But force women out of their jobs for stating that sex is real? #IStandWithMaya #ThisIsNotADrill— J.K. Rowling (@jk_rowling) December 19, 2019
このJ.K.ローリングの投稿に、多方面から批判が殺到。女優で活動家のジャミーラ・ジャミルは「お願いだからトランスジェンダーの人たちをもっとフォローして、彼らのこの世界での経験をもっと読んで。そしてあなたが彼らの存在を抹殺しようとしていることを知って。あなたは、彼らの存在やアイデンティティを否定する人を支持することによって彼らを虐げている。あなたのもつ大きな力で、弱い立場の人を守って」と直接本人に訴えた。
またジャミーラは「J.K.ローリングが私の大切な人々を傷つけるのが見ていられない」とし、彼女をアンフォローした。
ジャミーラ(左)
https://www.instagram.com/p/B6BPyVFlSfd/
またアメリカ国内においてLGBTの人々のイメージに関するメディアモニタリングを行っている非政府組織GLAAD(グラード)も声明を発表。
「子どもたちに“ひとつになれば世界をよくできる”と希望を与えた本を書いたJ.K.ローリングが、今では反科学概念を持ち、トランスジェンダーの人々の人権を否定しています。トランスジェンダーの男性も女性も、ノンバイナリーの人々も誰も脅威ではない。今こそ、トランスの人々が、自分たちの基本的人権が平等に扱われるよう声をあげるべき時です」
今回の件に関し、J.K.ローリングからはまだコメントなどは出ていない。