人気歌手のテイラー・スウィフトが、ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』のオーディションに参加していたが、あと一歩のところで採用されなかったことがわかった。
「レ・ミゼラブル」は、フランスの作家ヴィクトル・ユゴーの小説。1980年代にこれを原作としたミュージカルが上演され、以後ブロードウェイを含む世界各地でロングランされていた。2012年にはヒュー・ジャックマンやアン・ハサウェイら豪華キャストとともに映画化されている。
Les Miserables – Official Movie Trailer
同作の監督務めたのはトム・フーパーで、彼は現在アメリカで公開中(日本では2020年1月24日公開)のミュージカル映画『キャッツ』でもメガホンを取っている。そんな監督が今回、Vulture誌のインタビューに登場し、過去作品『レ・ミゼラブル』で歌手のテイラー・スウィフトをキャスティングしかけたエピソードを告白した。
フーパー監督は「テイラーは『レ・ミゼラブル』のオーディションを受けたんだ。エポニーヌ役のオーディションで輝いていたよ。彼女をキャスティングしなかったけど、採用に近いところまでいった」と、テイラーがオーディションを受けたが採用しなかったと話す。
テイラーがオーディションを受けた“エポニーヌ”とは、貧民としてパリに移り住んだ村娘。父親の悪事を手伝い何かと生きていた美しい少女の役だ。
一体、なぜテイラーをオーディションで落としてしまったのだろうか?監督は「テイラー・スウィフトが人々に見下されるような女性だとは思えなかった」と、エポニーヌの人物像とは違っていたと明かす。「だからいい意味で、彼女には合っていないと思った」と、話した。結局エポニーヌ役は歌手で女優のサマンサ・バークスが務めることとなった。
このオーディションでは役を獲得しなかったテイラーだが、まったくもって無駄ではなかったよう。なぜならフーパー監督がミュージカル映画『キャッツ』のキャスティングをする際、彼の頭に一番最初に浮かんだのはテイラーの名前だったからだ。
映画『キャッツ』第一弾予告
監督は「テイラーがミュージカル出演に興味があることは知ってた。『キャッツ』の話が出たとき、僕は彼女に “会ってみない?僕がつくる世界を見てみない?”と送ったんだ。そして僕がプレゼンテーションをした」「テイラーはそれをとても気に入ってくれて、それからはとても献身的に仕事をしてくれたよ」と、テイラーをやっとキャスティングできた経緯を話した。
テイラーは監督の期待以上の仕事をしたそうで、「彼女が新曲を書いたり作詞家としても関わってくれるだなんて、まったく思わなかった」と話している。テイラーは同作の作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーと共に、新曲「Beautiful Ghosts」をこの映画のために書きおろしている。
テイラーが以前オーディションに落ちていたことは驚きの事実だが、数年後にぴったりな役でミュージカルデビューができたのも、この過去があってのこと。『キャッツ』の日本での公開が楽しみだ。