ディズニー史上最強ヒロインを描くファンタジー・アドベンチャー『ムーラン』が実写化され、今年公開されるのだが、アニメーション版の『ムーラン』では需要な役目を果たしたキャラクター、ムーシューが登場しないという。
傑作ディズニー・アニメーションから誕生したヒロインディズニー・アニメーションは、これまで「美女と野獣」のベルや「アラジン」のジャスミンなど数多くのヒロインを誕生させてきたが、その中でもディズニーヒロインのイメージを変えた唯一無二の存在と言えるのが、本作の主人公“ムーラン”だ。
アニメ版では、ムーシューという赤いドラゴンのキャラクターが登場する。彼は、ムーランの守護竜でお調子者な性格が特徴的。さらにムーランと一緒に旅に出る、まさに相棒的存在なのだ。
アニメ版ではエディ・マーフィーが声優を務めた。
そんな重要なキャラクターとも言えるムーシューが、実写化映画ではなぜ登場しないのか、本作で監督を務めたニキ・カーロが口を開いた。
Digital Spyによると、カーロ監督は「ムーシューというキャラクターはかけがえのないもの。ご存知のようにアニメーション化されたクラシック作品では、それが成り立つのです」とコメント。ディズニー映画としては主人公に動物や何かしらのキャラクターが相棒として描かれていることが多い。例えば、『アラジン』では猿のアブー、『リトルマーメイド』ならフランダーなどがいる。
しかしカーロ監督は、中国の神話も大切にしたかったという。「この映画には代表的な生き物が登場しています。先祖を霊として表現し、特にムーランの父親との関係を表しているのです」とコメント。さらに「ドラゴンは男性の象徴で、フェニックスは女性の象徴。本作では、ジェンダーを探求していく物語なので、この表現方法がとても素敵だなと思いました」と語った。監督は、ムーシューの代わりに、ドラゴンやフェニックスなど、偉大な生き物を登場させているのかもしれない。
ムーシューが登場しないのは、アニメーション版『ムーラン』が好きな人にとって非常に残念なことだが、感動のドラマとスペクタクルな戦闘シーンに期待が高まっている。また、女性が主人公の映画を女性監督がどのように作り上げたかにも注目が集まっているようだ。
そして、ファンタジー・アドベンチャー超大作に相応しい豪華キャストが勢揃いしているのもポイント。
主人公ムーランを演じるのは、大抜擢となったアジアンビューティーのリウ・イーフェイ。透明感がありながらも強さを兼ね備えた容姿が印象的で、まさにムーランを体現しているかのような女優だ。そして脇を固めるのが、コン・リー、ジェット・リー、ドニー・イェン。世界で活躍し、アクションにも定評がある実力派俳優陣が揃った。『ムーラン』の日本公開日は4月17日(金)。