人気歌手/女優のセレーナ・ゴメスには、実はある意外な一面があったようだ。
セレーナ・ゴメスは先週末、アメリカのシカゴで行われた、実録犯罪マニアたちが集まるイベント「クライムコン(CrimeCon)」に母親のマンディ・ティーファイを伴って参加し、アマチュアの探偵達に混ざって未解決事件の推理に取り組んでいたのだ。
クライムコンのインスタグラムでも、セレーナ・ゴメスが真剣に事件に立ち向かている様子を見ることができる。インスタグラムのキャプションには、「セレーナ・ゴメスさんとそのお母様を、イベントの捜査コーナーにお迎えできて光栄です。お2人とも完璧な捜査官ぶりで、他の100人を超える参加者と共に事件解決の為に取り組んでいました」と添えられていた。
セレーナも自身のインスタグラムでイベントの様子を伝えている。母親との2ショットを投稿し、「私たち、まるで観光客みたい!!たくさん写真を撮って、クライムコンにも参加したわ。シカゴ、愛してる!」とコメントした。
では、セレーナが取り組んだ未解決事件とはどのようなものなのか。
それは、1981年に起こった殺人事件だった。1981年10月23日の夜、当時17歳だった少年カート・ソーヴァが突然姿を消した。近所で行われたパーティーに参加した後だった。それから5日後、彼は渓谷のそばで遺体となって発見された。
クライムコンの公式サイトによると「セレーナと他の参加者達はこのイベントの為に選ばれた実際の事件に対し、真剣に解決に向けて取り組んだ。当日は元連邦保安官や法律従事者、主催者が選抜した専門家達が指揮をとり、現時点でわかってる事実や過去の事件簿、未解決になっているポイントなどをもとに捜査した。目の前にあるのは60分でまとめられるテレビドラマのようなものではなく、実際の事件だ。複雑に絡み合う事情や、初動のミス、ミスリードや多くの障害など、捜査関係者が日々向き合っている問題に、イベント参加者達は立ち向かっていた」とつづられている。
カートの兄、ケヴィン・ソーヴァもその場に立ち会っており、クライムコンのインスタグラムにてその模様が中継されていた。彼は参加者達が真剣に取り組む姿勢に非常に感銘を受けたようで、後日以下のようなブログを投稿した(参加者による捜査結果は、その後警察の担当部署に報告されている)。
事件から38年経ったころ、思いもしない電話を受けた。近くの警察署からだ。『ソーヴァさん、警察官のマージョイです。』って。いつもトラブルを起こしてばかりの兄、ケニーがまた何かしたんじゃないかと思ったんだ。でも、マージョイさんが聞きたがったのはカートのことだった。少し話して電話を切ったんだけど、当時のことを思い出すと辛くて…。妻に説得されて、なんとか警察署に向かった。
そこでマージョイさんと話をして、クライムコンについて聞いたんだ。クライムコンでなら、何かヒントが見つかるんじゃないかって言われたよ。警察署を出た時点では、そんなに深く考えていなかった。でも、カートへの想いが蘇ってきたんだよ。そして、事件解決に真剣に取り組もうとする警察官の姿勢を目にすることができた。
その後、兄のケニーが亡くなった。実家で1人で。10日間誰も気づかなかった。ケニーは身の回りのものをほとんど売り払っていて、家の中にはゴミしかなかった。もう、家に火をつけて、何もかも消し去ろうと思ったよ。
でも、ふと目に入った母のクローゼットの中からある箱を見つけたんだ。中には母が生前に集めたカートの事件に関する新聞記事の切り抜きや文書、メモが入っていた。ぼくはそれだけ持って、家を後にしたんだ。
2年半後、僕はまたマージョイさんに会いに行き、その箱を手渡した。彼はまるで、宝くじを当てたように目を丸くしていたよ。彼に『全部持って行ってくれ』と伝えた。母が背中を押してくれたんだ。
今この場所に、母が座っていればいいのにと思う。彼女がどれだけ、事件解決を夢見ていたか。どれだけ、『真剣に事件に向き合ってほしい』と願っていたか。カートが死んだ場所と、ぼくたちが住んでいた場所が違ったばかりに、所轄同士のいさかいが起こり、事件は一向に解決しなかった。何度も母に言ったんだ。『もう諦めよう。誰もカートのことなんて覚えていない。事件のことなんて忘れているんだよ』って。
でも今、ぼくたちとなんの関係もない何百人もの人達が、こんなにも真剣に取り組んでくれている。これからもこのイベントはぜひ続けていってほしい。ここに集まる人たちは、自分とはなんの関係もない家族を助ける為に全力を尽くしている。こんなに心強いことはない。
これまでもチャリティーなど慈善活動に積極的であるセレーナは、少しでも人の力になれることに参加したいと考えているようだ。