米宇宙旅行会社「ヴァージン・ギャラクティック」は、民間向けの宇宙旅行企画「ワン・スモール・ステップ(小さな一歩)」のプロモーションをスタートした。米フォーブス誌が伝えている。
「ワン・スモール・ステップ」は、参加希望者がまず1000ドル(約11万円)を保証金として入金、オンライン登録をすることで次のチケット販売の際に購入希望者リストに加わることができるというシステムだ。なお、この1000ドルは払い戻し可能である。これまでの6ヶ月間で、すでに8,000人以上が登録を行なっており、最初のフライトの600席はすでにソールドアウトしている。
さらに、チケット購入者は次のステップである「ワン・ジャイアント・リープ(大きな飛躍)」に進むことができる。ジャスティン・ビーバーやレオナルド・ディカプリオはすでにこちらに名を連ねており、ヴァージン・ギャラクティック社の創始者であるリチャード・ブランドン氏もすでに最初のフライトへの参加を表明している。
昨年、ヴァージン・ギャラクティック社はアメリカにあるロケット打ち上げ施設の出発ラウンジを公開した。宇宙旅行者が利用するためのものだ。なお、この宇宙旅行は90分間の弾道飛行を予定している。
我々が夢に描いていた宇宙旅行の実現がいよいよ迫ってきている。そして、民間向け宇宙旅行を企画しているのはヴァージン・ギャラクティック社だけではない。Amazonの創始者、ジェフ・ベゾス氏が立ち上げた「ブルー・オリジン・スペース・カンパニー」も、今年中に友人宇宙船「ニュー・シェパード」のテスト飛行を予定している。
さらに、「テスラ社」のCEOイーロン・マスク氏が創設した宇宙旅行会社「スペースX」は、2023年までに日本の実業家前澤友作氏を月旅行へ招待すること、2025年までに宇宙にホテルを作り、ゲストを迎え入れることを表明している。
また、ヴァージン・ギャラクティック社は唯一の上場企業であり、最初のチケットは250,000ドル(2億8000万円)で販売された。他の3社も、最初の商業宇宙旅行を実現すべく争っているところだが、経済的負担も大きい。ヴァージン・ギャラクティック社は昨年の利益を380万ドルとした一方、損失は2億1100万ドルだったと公表した。しかし、過去12ヶ月間で宇宙旅行への需要が2倍に増えているとした。
先週、スペースX社は有人飛行船「クルー・ドラゴン宇宙船」を発表した。宇宙旅行を巡る各社の競争はますます激化しそうだ。そして民間の宇宙旅行が果たして本当に成功するのかどうかも今後注目である。