2020年に入り約2ヶ月半が経ったが、現在のところ「今年最も検索された女性」は誰なのだろうか?グーグル社が発表した。
グーグルは「国際女性デー」である3月8日、今年最も検索された女性の音楽部門はテイラー・スウィフトであることを発表。スポーツ選手部門はテニス選手のセレーナ・ウィリアムズ、コメディアン部門はアジア系女優のオークワフィナ、作家部門は米出身のトニ・モリスン(2019年他界)であった。
また同社は、アメリカ国内で「ガールズパワーについての曲(songs about girl power)」というフレーズが検索された回数が過去最高に登ったことも明かしている。「女性のエンパワーメント(女性が力をつけ不利な状況を変えていこうとする考え方)」といったフレーズの検索数は2004年に比べ330%アップ、「テクノロジー界の女性(Women in tech)」といったフレーズは2004年にくらべ860%以上アップしているという。
エンターテインメント業界においても、フェミニズムを促進する動きや、フェミニストを公言するアーティスト、俳優たちが多く出てきている。フェミニズムとは、政治、文化、社会動向などのもとに生じる性別による格差を明るみにし、平等な権利を訴える思想、運動だ。
Taylor Swift – The Man
先日、テイラー・スウィフトはフェミニズムのアンセムとも言える楽曲「The Man」のMVをリリース。同曲はテイラーが“女性だから”といった理由で批判されてきたことに対し、“でも私が男だったら褒められていたでしょう”といった内容となっており、フェミニズムのアンセムとも言える1曲だ。
たとえばテイラーは現在、俳優ジョー・アルウィンと約3年間交際をしているが、それ以前は「恋多き乙女」として何人もの有名人とデートをしてきたことで知られているため、メディアでは「浮気性」などと批難されることもしばしばあった。
しかし彼女がもし男性であったら、「プレイボーイ」などと言われむしろリスペクトされていた可能性もある。そういった、同じことをしていても性別が違うだけで評価が変わってしまうことに異議を唱えているのが、この「The Man」だ。
このMVではある1人の男性が登場するのだが、実はこれは特殊メイクで変身したテイラーなのだ。髪型や輪郭、ヒゲ、そして体型までも完全に男性で、特殊メイクと言われない限りテイラーと気づかないほどだ。
そしてビデオでは、成功している男性が、電車では股を大きく広げたり、周りを気にせず偉そうにタバコを吸ったり、ビキニモデルたちを連れてパーティーしたり、怒鳴ったり、そして年老いた時には若い子と結婚したりと、まさに皮肉が込められた内容となっている。