徐々に深刻化してきた新型コロナウイルス。世界保健機関が「世界的なパンデミックだ」と宣言し、人気俳優のトム・ハンクスが新型コロナウイルス検査で陽性結果となり、さらに米ディズニーテーマパークが一時閉鎖を決定するなど、さまざまな場所に影響が広がっている。
実は、この新型コロナウイルスに広がり方や感染のしかたが似ていると話題になったのが、10年前の映画『コンテイジョン(原題:Contagion)』だ。同作の脚本家が、今回の新型コロナウイルスについて口を開いた。
2011年のアメリカスリラー映画『コンテイジョン(原題:Contagion)』。マリオン・コティヤールやマット・デイモン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロー、ケイト・ウィンスレットなど、豪華キャストが集結し、高い確率で死をもたらす感染症の脅威や、パニック状態を描いている。脚本を務めたのは、映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の脚本チームにも属しているスコット・Z・バーンズだ。
バーンズ氏は、今回の新型コロナウイルスの拡大について「そこまで驚かなかった」と話した。「人々が病気になったり、死にそうになっているのを見るのは非常につらいことですね。映画の作り手としてではなく、人間として、とっても心が打たれる」と現在の心境を告白。一方で「ソーシャルメディア上でも、友人同士の会話でも、現在の状況と『コンテイジョン』がこれまで似ているのはすごいことだと言われるのは、奇妙でしかたありません」と語った。
「しかし、そんなに驚くことはありませんでした。私が話した、たくさんの科学者たちは『もし』ではなく『いつ』かということが問題だと言っていました」と、当時話した科学者全員から、時期が問題であることを聞いていたようだ。「科学を信じている身としては、科学者たちに耳を傾けることが大切だと思います」とも話した。
映画『コンテイジョン』では、グウィネス・パルトロウが演じるベスから感染が始まっていく。ベスはアジアへの出張後に病気となり、24時間以内に死亡する。伝染はさらに劇的に広がり、死者数は最終的に米国で250万人、世界中で2,600万人に達していく。
一方、新型コロナウイルスは、すでに世界中で感染者が127,000人以上に広がり、4,718人が亡くなっている(※3月13日現在)。数は違うものの、感染の広がり方が似ている映画『コンテイジョン』は、この時期だからこそ見ておくべき映画かもしれない。