マーベル映画『キャプテン・アメリカ』で主人公を演じていることで知られる俳優のクリス・エヴァンス(38)が、同作のキャスティング当時、自身が抱える不安障害を理由に役を断っていたことが明らかとなった。
キャプテン・アメリカを演じるクリス・エヴァンス
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今ではMCUに欠かせない顔となっている『キャプテン・アメリカ』。主人公スティーブ・ロジャースを演じたクリス・エヴァンスは5月25日、ポッドキャスト番組「The Hollywood Reporter’s Awards Chatter」にゲストとして出演し、俳優であることについて話した。
彼は「駆け出しの頃、俳優という仕事は趣味でもあったんだ。でも少しずつ仕事が増えてきた。そうなると変なエゴが出てしまったり、色々気にしてしまったりして急に重く感じたんだ。そして不安を感じた。なぜなら今はインターネット時代だから、人々のリアクションをオンラインで読めてしまうし。もともとは単純に楽しんでやっていたことが、突然うぬぼれや自意識過剰とかともつれてしまった。それは不安とストレスという形であらわれたんだ」と、キャリアが成功するにつれ不安を感じ始めたと明かした。
クリスは2012年、映画『パンクチュア 合衆国の陰謀(原題:Puncture)』にて主演を務めたのだが、その際に撮影現場でパニック障害の発作が出たことも告白。「自分が正しいことをしているかが疑問だった。俳優業が『自分に合っているのか?健康的だと感じているだろうか?』って考え始めてた」と話した。
また、マーベルから『キャプテン・アメリカ』のカメラテストに来てほしいとオファーが来た際のことを振り返ったクリス。「電話を切った後に考えたんだ。『これだ。今が人生の分かれ道だ。僕は本当に自分の人生を自分でコントロールしたい。だから今が“No”を言うときだ』と思ったんだ。だから僕のチームに電話をして『とてもありがたいけど断るよ』と言った」と、カメラテストを断ったことを明かした。
クリスのチームはそれをマーベル側に伝えたが、マーベルの社長であるケヴィン・ファイギはクリスを諦めきれず、とりあえず一度来てほしいとお願いしたという。クリスは同意したが、彼はその時点で断ることを心に決めていたという。
ファイギへ会いに行ったクリスだが、それでもやはり断ったと明かしたクリス。するとファイギはカメラテストなしでキャプテン・アメリカ役をやってほしいと改めてクリスにオファーをしたといい、さらに決断するために週末じっくり考える時間も与えられたという。
その週末を使い、複数のセラピーへと通ったというクリス。「多くのセラピストに、僕は恐れを基準として生きているって言われたんだ。そんな風な生き方はできない、ってね」と助言をもらったそう。
熟考した結果、最終的にキャプテン・アメリカの役を引き受けたクリス。彼は「今までで最高の決断だった」と、今は全く後悔していないと話した。