英人気バンド「The 1975」のボーカルであるマシュー・ヒーリーが、先日無抵抗の黒人男性が白人警官に殺された事件に関するツイートをし炎上。アカウントを閉鎖したことがわかった。
5月25日(月)、ミネソタ州ミネアポリスにてアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド(46)が、偽札を使ったのではないかという疑いで、警官は車にいたジョージさんに車から離れるよう命じたところ抵抗したとして手錠をかけ、そのまま地面に押さえつけた。
ジョージさんは無抵抗であったにもかかわらず、警察は彼の首をヒザで圧迫。ジョージさんは「息ができない」「殺さないで」と訴えかけ、周囲も「危険だ!」「足を離すんだ!」「(警察が)楽しんでやっているだろう!」と訴えるも警官は無視。救急車が駆け付けたもの、ジョージさんはそのまま亡くなってしまった。
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‘Please. Your knee in my neck. I can’t breathe.’
Black man George Floyd died shortly after a Minneapolis police officer kneeled on his neck (warning: distressing) pic.twitter.com/kMPiILRUqR
— NowThis (@nowthisnews) May 27, 2020
これに対し様々なセレブが怒りのコメントを出しており、ツイッターではハッシュタグ「#黒人の命を大切に(BlackLivesMatter)」や「#すべての人の命を大切に(AllLivesMatter)」が多く使われた。
これに関しマシュー・ヒーリーもツイート。彼は「『すべての人の命を大切に』を本当に信じているなら、『黒人の命を大切に』のハッシュタグをやめようとすることをやめるべきだ」と書き、リンクにThe 1975の楽曲「Love It If We Made It」をつけた。
この楽曲の歌詞は「車でファックしている、ヘロインをやりながら/議論を呼ぶようなことを言っている/メラニンを売り、黒人たちを窒息させる/悪いことからはじめて、ビジネスにしよう」と歌っているのだ。
これに対し「事件に便乗して曲をプロモーションしている」などと批判が殺到。とあるユーザーは「マッティ・ヒーリーはいつも、業界において白人でいることの難しさや、バンドが典型的なポップバンドじゃないことの苦しみを話してきた。でも今回の事件の反応がこの曲のリンクなの?最低」と書いた。
批判を受け、マシューはアカウントを削除。削除する前には謝罪として「ごめん、自分のことを話そうと思ってあのリンクをつけたんじゃない。あの曲は本当に最悪な状況を歌っている曲で、僕がツイッターで話すよりも曲の方が雄弁に人に伝えられるからだ」と投稿していたという。
無抵抗の黒人男性が白人警官に殺されるという残虐な事件に多くの人がショックと怒りを覚え、警察署前で抗議運動も行われている。またジョージさんを取り押さえた警官含む4人の警官が免職処分となったが、「これは人殺しなのに免職のみではおかしい」という声もあがっている。
2014年にもニューヨークで、黒人男性のエリック・ガーナーさんが、逮捕される際に白人警官に殺されてしまった事件があり、大きなニュースとなった。その後も無罪の黒人男性が容疑を疑われたりと人種差別の根強さは問題視されている。