先日警官に首を圧迫され亡くなったジョージ・フロイドさん(46)。現在各地で抗議デモが行われているが、彼の遺族が一部暴徒化する人々へメッセージを送った。
現地時間時間5月25日(月)、ミネソタ州ミネアポリスで、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが、警察官のデレク・ショーヴィンに7分以上にわたり首を圧迫され、そのまま亡くなるという悲惨な事件が起きた。
無抵抗のフロイドさんを拘束し、首を膝で押さえつけた警察官は、彼がずっと助けを求めたにも応じることなく死に至らしめた。またフロイドさんが黒人で、警官が白人であったことから、人種差別の象徴ともいえるこの事件に対し、全米各地で「黒人の命は重要だ(#BlackLivesMatter)」の抗議デモが行われている。
抗議デモは一部で暴徒化し、略奪や暴力行為などが過激さを増している。暴徒化しているエリアでは、外出禁止令がアナウンスされるほどである。ミネソタ州のティム・ウォルツ知事は、暴徒化する人々の中には、関係のない外国勢力や白人至上主義者、違法薬物カルテルなどが暴力の背景にいるとコメント。またドナルド・トランプ米大統領は、左翼派の反ファシストの「アンティファ」が絡んでいるとし、テロ組織認定するといったツイートも投稿した。
そして事件後、ジョージさんの遺族がはじめてジョージさんが亡くなった現場に到着。遺族はそこで泣き崩れ、また集まった人々は彼らを囲みヒザをついて追悼の意をささげた。
WATCH: Full speech by George Floyd's brother, Terrence Floyd, at site of George Floyd's death. pic.twitter.com/piEcnilzCb
— NBC News (@NBCNews) June 1, 2020
ジョージさんの弟であるテレンス・フロイドさんは、現場で拡張器を使い、「みなさんが怒りを覚えるのは理解しています。でも一番怒りを感じているのは私だと思います」「自分の町を壊さないでくれ!この全て(略奪や暴力)は必要のないことなんだ。なぜなら彼の家族であるぼくたちがそんなことをしていないのに、なぜそんなことをするんだ!?そんなことをしてもぼくの兄は戻ってきません」と、略奪や暴力を強く非難した。
さらにテレンスさんは「私たちは平和な家族でした」「警察が残忍な行動をするたびに同じことが起きています。抗議デモが起き、物が破壊される。しかし警察は動きません。それは彼らの物ではないからです」と強く訴えた。
そしてテレンスさんは、もっと平和的に解決するために、選挙に行き、投票する大事さを訴えた。最後にテレンスさんは集まった人々とともに「左には平和を、右には正義を!」と何度も一緒に叫び、集まった人々に感謝を伝えた。