現在アメリカを中心に、人種差別をなくそうといった「Black Lives Matter(黒人の命をないがしろにするな)」のデモが行われているが、これに参加した高齢男性が取り締まっている警察官に負傷させられるという事件が起き、市民が批判している。
先月25日、ミネソタ州ミネアポリスで、白人警察官の不当な拘束によりアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが命を落としてしまった事件。人種差別の象徴ともいえるこの事件は全米に大きな衝撃を与え、アメリカ国内だけでなく世界中で「Black Lives Matter(黒人の命をないがしろにするな)」をスローガンとするデモが発生する事態となった。
6月4日、米ニューヨーク州バッファローにて、市役所の外で「Black Lives Matter」をスローガンとしたデモが行われた。そこにはデモをする人々と、それを取り締まる警察官が数十人いたのだが、とある高齢男性が警察の方へ何かを話しながら向かって歩いていった。
一人の警察官が「後ろに下がれ!」と命令したが、男性は立ち止まっただけで後退しなかった。すると別の警官は彼を手で突き放したのだ。男性はバランスを崩し背中から倒れ、頭も打った様子。頭部からは血が出ているのも確認できる。
※衝撃的な内容を含むため、閲覧には注意してください。
https://twitter.com/WBFO/status/1268712530358292484
男性が倒れた後一人の警官が彼に駆け寄ったが、別の警官が彼を止め無線でなにか連絡をしている様子が見られる。別の大勢の警官たちは、倒れた男性の救助などにはあたらず、そのまま無視し行進。しかし動画で、警官はメディアに「男性が転んだ」と説明し、彼が勝手にころんだと言っている。
これに対しDJのゼッドは「この可哀想な高齢男性は、“すべって転んだ”と警官に言われた。でもビデオで明らかに突き放されてるじゃないか。男性を突き飛ばした警官の名前はアーロン・トルガルスキー。彼は即解雇&起訴されるべき」とツイートした。
他にも「警察が今高齢男性を殺して、その横を普通に歩いていった?誰か、彼は大丈夫だと言って」「なんでこんなことができるの?これがどうやったら正当化されてしまう?」「警察の敵は警察」などと批判の嵐となった。
The poor old man in the video below was resported to “trip and fall” by the police even though in the video you can clearly see him being pushed.
The officer who shoved him is “Aaron Tolgalski” and needs to be fired and charged immediately. https://t.co/ExLOFW7VXL
— Zedd (@Zedd) June 5, 2020
エリー郡のエグゼクティブであるマーク・ポロンカーツ氏は「このビデオを見て気分が悪くなりました。負傷した男性は現在ECMC(エリー郡の病院)におり、容態は安定しています」とコメントし、男性の怪我の現状を報告した。男性が無事なようでなによりだ。
この件に関わった警察官たちは職務停止処分を受けているといるが、解雇や起訴されたなどの情報はまだない。