アメリカ大使館は火曜、NHKがツイッターに投稿した「Black Lives Matter(黒人の命は重要)」のムーブメントに関するアニメ動画に対し、「攻撃的で配慮に欠いたものだ」と批判した。The Guardianが報じている。
この動画では「Black Lives Matter(黒人の命は重要)」のムーブメントをテーマとしていながら、ジョージ・フロイドさんの死や警察による不当な暴力について一切触れていなかった。代わりに新型コロナウイルスの影響で有色人種が経済的な打撃を大きく受けたことにより、抗議でもや略奪行為が発生していると放送したのだ。なお、番組内で登場したアフリカ系アメリカ人のアニメキャラクターは、筋肉質で強面であり、見る人に誤解を与えるような風貌をしていた。
NHKは発表したコメントの中で、今回の内容はアフリカ系アメリカ人が置かれている厳しい状況の一部をわかりやすく伝えるためのものだったと釈明していた。
しかしNHKがこの動画をツイッターに投稿した直後から、批判の声が殺到。声を挙げた1人で駐日米国臨時代理大使のジョセフ・ヤング氏は、「NHKがアメリカ国内で複雑に絡み合う人種問題を取り上げたことについては理解するが、この動画においては配慮に欠けている。登場するキャラクターは攻撃的な風貌で誤解を与えるものだ」とツイート。
While we understand @NHK's intent to address complex racial issues in the United States, it's unfortunate that more thought and care didn't go into this video. The caricatures used are offensive and insensitive.
— ラーム・エマニュエル駐日米国大使 (@USAmbJapan) June 9, 2020
さらにテニスの大坂なおみ選手はじめ多くの人々が批難をし、それらの声を受け、NHKはこの動画を削除。「掲載にあたっての配慮が欠け、不快な思いをされた方にお詫びいたします。いただいたご意見・ご批判を、今後の番組制作に生かしていくとともに、人権を尊重し、取材や制作のあらゆる過程で細心の注意を払うよう取り組んでまいります」とツイッターに謝罪文を掲載した。