人気カントリーグループのレディ・アンテベラムが、最近の「Black Lives Matter(黒人の命をないがしろにするな)」の運動をきっかけとして、なんとアーティスト名を改名したことがわかった。
レディ・アンテベラム(レディ・A) 「Need You Now」
レディ・アンテベラムは2006年から活動しているカントリーグループ。メンバーは女性のヒラリー・スコット、男性のチャールズ・ケリー、デイヴ・ヘイウッドで、メンバーは全員白人だ。
彼らのグループ名にも入っている「アンテベラム」とは、「アメリカ南北戦争以前」という意味だ。南北戦争とは、1861年から1865年にかけてアメリカで行われた内戦。奴隷制度存続を主張する11州と北部23州との間で戦争となり、戦後結果として奴隷制度が崩壊した。
現在アメリカをはじめとする各国で、黒人に対する人種差別を撲滅しようといった運動「Black Lives Matter(黒人の命をないがしろにするな)」が大規模に行われており、人種差別とは何か、変えるために何ができるかなどを多くの著名人が声を大にして訴えている。
今回この運動を受け、レディ・アンテベラムは2006年から長年ファンの間で親しまれてきたグループ名を「レディ・A(Lady A)」に改名することをツイッターにて発表。
Dear fans… pic.twitter.com/7JlcH2NMl6
— Lady A (@ladya) June 11, 2020
声明には「14年前に結成した時、私たちはバンドの名前を“アンテベラム調”の家にちなんで名付けました。その家で私たちは初めて一緒に写真を撮ったからです」と、バンド名の由来を語った。
同グループは「南部ロックやブルース、R&B、ゴスペル、カントリー音楽が南部に影響されてできたことを知りながら、『アンテベラム』という言葉が南北戦争の前の時代、つまり奴隷制度が存在していた時代を連想させることまで考慮しなかったことを後悔しているし、恥ずかしい思いです」と書き、「これにより傷ついた人、不安を感じた人、自分が評価されていないと感じてしまった人へ深く謝罪します」と謝罪をした。
最後には「これからも学び続けます」と綴ったレディ・A。「お手本としてリードしていけることを願っています。謙虚さと愛、同感、行動とともに・・・明らかになった、またはまだなっていない不正に対抗し共に戦い、私たちの子供や新しいジェネレーションにいい影響を与えていきましょう」と締めくくった。
人種差別撲滅を訴えかける「Black Lives Matter(黒人の命をないがしろにするな)」運動とは、今年5月末に黒人男性のジョージ・フロイドさんが、無抵抗であったにもかかわらず白人警官に殺害された事件をきっかけにおこったもの。アメリカ全土や世界中で人種差別をなくそうと、多くの人が行動を起こしている。