警官によって殺害された、ジョージ・フロイドさん。実はフロイドさんとこの警官が以前同じ職場に勤め、お互いを知っていたことが明らかになっている。CBSが報じている。
5月25日(月)、ミネソタ州ミネアポリスにて、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさん(46)が、偽札使用の容疑で白人警官のデレク・ショーヴィンに手錠をかけられ、そのまま地面に押さえつけられた。
フロイドさんは無抵抗であったにもかかわらず、警官は彼の首を7分以上圧迫し続け、そのまま死亡させた。これまでにも長年にわたり、白人警官が黒人を虐待、殺害することは何度も起き、この人種差別の象徴と言える事件に世界中がショックと怒りを感じ、現在アメリカのみならず世界各地で抗議デモ「#BlackLivesMatter(黒人の命は重要)」が行われている。
そんなフロイドさんは、この事件後、実は殺害したショーヴィン警官と過去に同じナイトクラブ「El Nuevo Rodeo」でセキュリティーとして働いていたと報じられたのだ。
今回その「El Nuevo Rodeo」で、フロイドさんやショーヴィンらの同僚であったデヴィッド・ピニーさんがインタビューに応じた。ピニーさんは「疑いの余地はなく、ショーヴィンはフロイドさんのことを知っていた」と明かしたのだ。
さらにピニーさんは、ショーヴィンが店の外のセキュリティー、フロイドさんが店の中のセキュリティーをしていたことも明かし、またショーヴィンは気性が激しく、常連客とクラブ内でよく問題を起こしていたことも明かした。
そしてある時、ショーヴィンが給料に文句をつけ、フロイドさんら内部のスタッフを批難。それにピニーさんは怒りを覚え、ショーヴィンに辞めてもらったのだという。しかしその後ピニーさんは、過去の話で事実関係が曖昧な部分もあると付け加えている。
また同クラブのマネージャーのマヤ・サンタマリアさんもインタビューに応じ、その中で、フロイドさんが同クラブに1年間勤務していた間、毎週火曜日はショーヴィンとシフトがかぶっていたことも明らかにした。また、サンタマリアさんも、ショーヴィンが黒人のお客さんたちに対し攻撃的であったことも知っていたが、事態を悪化させたくないと思ったのと、また彼は「いい警官」とまわりからは思われていたことから、彼が「いじめをする人間」とは言わなかったようだ。
これらの証言からフロイドさんとショーヴィンはお互いを知っていた可能性はかなり高い。しかしそれが直接事件と結びついているかはまだ不明なところである。それを明確にするためにも、現在ショーヴィンの裁判が執り行われている最中である。