5月27日にスタートしたばかりの動画ストリーミング・サービス「HBO Max」が映画『風と共に去りぬ(原題:Gone With the Wind)』の配信を停止したことを発表した。
この映画は1936年に公開され、アカデミー作品賞を受賞している。南北戦争時代のアメリカ南部を描き、当時の“奴隷制を美化している”のではないかと批判の声も上がっていた。
CNNビジネスによると、「HBO Max」の広報担当者は配信停止に至った理由について、「有色人種や民族に対する差別があたりまえのように描かれているため」と答えている。また、「映画内の人種差別的な描写は当時も現代も間違っているものである。我々は時代背景の説明や表現への批判を掲載することなく配信を続けることは無責任だと考えた。もし今後配信を再開することになっても、本編に手を加えることはしないだろう。改編してしまえば当時確かに存在していた人種差別がまるでなかったことのように受け取られてしまうからだ」と付け加えた。
かつて黒人奴隷の実話を基にした映画の脚本を担当したジョン・リドリーは、奴隷制度を描写したこの映画の配信を批判していた。そして、「映画の内容を検閲することを良しとするわけではない」と断言した上で、「この映画の配信が再開される際には、当時実際に起こっていたことが忠実かつ完全に認識されるようにしてもらいたい」と付け加えた。
またE!ニュースは5月31日、「E!ニュースはアメリカで毎日のように発生している人種差別や不平等と闘うアフリカ系アメリカ人と共にある」と声明を発表。「我々はともに働くアフリカ系アメリカ人のスタッフ、タレント、パートナー会社、視聴者の為に社会の変化を求め求め続ける。沈黙することも共犯だ」と締めくくっている。
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