ディズニーランド内で大人気のアトラクションといえば、「スプラッシュ・マウンテン」だろう。カリフォルニアのディズニーランドやフロリダのディズニーワールド、東京ディズニーランドで楽しむことができ、長年にわたってファンを惹きつけている。しかしそんな人気ライドのテーマが、実は物議をかもしたある映画であることはあまり知られていない。米ピープル誌が伝えている。
その映画とは、1946年に公開された『南部の唄(原題:Song of the South)』。南北戦争後の時代が舞台となっており、当時あたりまえのようにあった人種差別も描写されている。
ディズニー自体もこの映画については多くを語っておらず、最近スタートさせた自社の動画ストリーミングサービス「ディズニー・プラス」でも見ることができない。
3月に行われた株主総会で、ウォルト・ディズニー・カンパニーの会長ボブ・アイガーは「私がCEOである限り、『南部の唄』はどのような理由があっても今の時代にはそぐわないと考える。映画内の描写を考慮するしたときに、配信するべきではないと判断した」と語った。
先月25日、ミネソタ州ミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警官によって殺害される事件が発生して以降、米国内では人種差別や不平等の撤廃を訴えるデモが多発している。そして、オンライン署名サイトでは、ディズニーに対して「スプラッシュ・マウンテン」のテーマの変更を求める声が上がっているのだ。
ある投稿は、「スプラッシュ・マウンテンのテーマを『プリンセスと魔法のキス(原題:Princess and the Frog)』に変えよう」というものだ。2009年に公開されたこの映画は米南部ニューオーリンズを舞台としており、ディズニー作品初の黒人プリンセス、ティアナが主人公だ。
投稿には「ディズニーランドは人種や年齢、バックグラウンドにかかわらずすべての人にとってホームと感じられる場所でないといけない」とつづられており、6月12日時点で1万7000を超える署名が集まっている。