歌手のセレーナ・ゴメスが、自身のインスタグラムを「Black Lives Matter(黒人の命をないがしろにするな)」運動のために声をあげる人たちへと提供。ここで、1960年当時に白人しかいなかった学校に始めて登校した黒人女性ルビー・ブジッリズさん(65)が、貴重な映像を公開した。
5月25日、ミネソタ州ミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警官に殺害される悲惨な事件が起きた。これまでにも黒人が白人警官に虐待、殺害される事件は何度も起きているにもかかわらず、それでも見逃されてしまう人種差別の社会構造に世界中の人々が激怒。これをきっかけに人種差別の撤廃に向けた抗議デモは毎日のように続いている状況だ。
インスタグラム上でフォロワー数が6位であるセレーナ・ゴメスは先日、自分のアカウントを黒人の人々が声をあげるプラットフォームとして提供すると宣言。今回、アメリカで人種差別待遇が廃止された後の1960年、初めて南部の州で白人と同じ学校へ行った黒人女性のルビー・ブジッリズさんがセレーナのアカウントに登場した。
歴史の一部を築いたルビーさんは動画で「直接みなさんにお話しできる機会を与えてくれたセレーナにありがとうと言いたいです。今回お見せする動画は、これまでに公開されていないものです。1960年、私がニューオリンズの学校に入学した初日のものです」と紹介。
「The Children Were Watching(子供たちは見ていた)」とタイトルがついたこの映像では、これまで白人の子供しかいなかった学校に、人種差別撤回後、黒人であるルビーさんが初登校する姿が映っているのだが、これに大勢の白人たちが怒りをあらわにしデモをしている。「私たちは白人、あいつらはニグロ(黒人)でしょ!」と話す人も。そんな中、警察に守られながら当時6歳のルビーさんが学校に登校。周りからはデモ集団の罵声が飛んでいるという、混沌とした状況が見られる。
現在のルビーさんは動画で「この映像が、黒人たちがなぜ命のために戦わなければならないかということへの理解を深めてくれます。これは私たちみなの歴史です。あなたの遺産でもあるのです」「私は許容と統一のために人生をささげてきました。今国民が不安を抱えている中、一致団結して黒人と褐色人種の命を守ることは欠かせません!私の話を伝えさせてくれたシスターのセレーナに感謝します」と訴えた。