フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールドの営業再開がいよいよ間近に迫ってきた。現地で働く何千人もの社員も、いよいよ職場復帰となる。しかし、フロリダ州が定める雇用制度により多くの社員が復帰に際し悩みを抱えているという。
約19,000人のディズニーキャストが所属する労働組合「Unite Here Local 737」は月曜の記者会見で、約30%もの社員が州の雇用制度の不備により手当てを受け取れていないと発表した。
この記者会見にて、キャストメンバーと組合長、フロリダ州キシミー市のホセ・アルヴァレス市長はフロリダ州知事のロン・デ・サンティス氏について言及、スタッフが手当てを受けるまでの問題点について指摘した。
キャストメンバー1人ロリ・ゲイ・ピッターンさんは、「もうどうしようもない。生活ができないんです」と語ると、同じくキャストメンバーのサリー・ミーヴス・ラモスさんが「私は1セントも受け取っていません」と続ける。
さらに、「もう思い出したくもありません。何度ウェブサイトではじかれたか。何度電話を切られたか。何度誤った情報を教えられたか」と厳しい現状を訴えた。キャストメンバーのダニエレ・ラニエールさんは、「自分のせいではないのに、職を失うことになってしまった。どんな未来が待っているのか、恐怖でしかない」と、語っている。
45年間、キャストメンバーとしてウォルト・ディズニー・ワールドで働いてきたロバート・ヒューズさんは、「私のステータスはずっと保留になっています。8週たって、報酬はゼロです」とコメント。彼は失業手当ての問い合わせ窓口に1日約50回電話をかけ続け、どこにも行かずに何時間も繋がるのを待ち続けた。いつ職場復帰できるのかもわからないまま、精神的な疲労はピークに達したという。
ウォルト・ディズニー・カンパニーはすでに、料飲や接客部門のスタッフを呼び戻しているが、ロバート・ビューズさんのようなディナーショー担当のスタッフにはまだ声がかかっていない。
組合長のジェレミー・ハイッケン氏は、復帰しているのはごく一部であり、17,000人ものスタッフが未だに自宅待機していると明かした。