ここ数か月、元従業員やゲスト出演者から悪評が続いている米人気トークショー「エレンの部屋(原題:The Ellen DeGeneres Show)」。あまりにも多数の告発が続いており、今回番組に調査が入ることがわかった。
「エレンの部屋」は、司会者エレン・デジェネレスが務める大人気番組で、2003年から約17年間も放送され続けている。数々の大物ゲストが登場し、また視聴者をステージに上げ賞金をプレゼントするスタイルも人気を集めていた。
しかし今年4月、新型コロナウィルスが拡大した影響で従業員の給料が削減された。これをキッカケに司会者エレンや番組の仕事環境などについて続々と不満の声が上がっている。
7月初めには10人の元従業員と1人の現職員が「職場環境は劣悪」などと主張。さらにプロデューサーのエド・グラヴィン、マリー・コネリー、そしてカメラの前にもたびたび現れるアンディー・ラスナーの3人から「いじめや嫌がらせを受けている」などと声をあげたのだ。関係者はBuzzfeedに対し「この3人の製作総指揮が番組を作り、従業員の担当もしているが、嫌がらせなどの文化も作り上げている」「彼らは『エレンの部屋』で仕事ができる人は恵まれていると思っている。だから『不満があるなら辞めればいい。他にここで働きたい人は多くいる』といった態度を取っている」という。
よく番組にも登場するプロデューサーのアンディー
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他の元従業員は「自分が自殺を試みた後、入院のため1ヵ月休養を取った。そしたらその直後に解雇された」と明かし、「人が自殺を試みる精神状態の中、追い打ちをかけるように解雇をするなんて」と話した。
また従業員であった黒人女性は、昇給を願い出た際に聞き入れられなかったり、現場にもっと人種の多様性を含めるよう要求した後、「顔が不機嫌そうで怒りながら歩いている」とプロデューサーから批難されたと明かした。
この数々の訴えを受け「エレンの部屋」を放送しているワーナー・メディアは、過去の従業員と現在の従業員たちに、職場で起こったことについて今後聞き込み調査をすることがわかった。この調査は第三者の会社も介入するという。
従業員はワーナー・ブラザーズなどから通知を受けたといい、その通知には従業員への不正な扱い、現場での人種差別、脅しなどが書かれた記事も掲載されていたという。
しかし今回調査が入るのは番組「エレンの部屋」であり、エレン・デジェネレス本人は対象とされていない。これにも理由があるという。
元従業員によると「従業員はエレンと同じ建物の中にいても、彼女に話しかけないように指導された」と告白。同人物は「彼女は自分の冠番組を持ちたいなら、現場で何が起こっているかをもっと見るべき。プロデューサーたちがエレンを囲み、“すべてうまくいっている”と伝えているんだと思う。エレンはそれを信じていると思うけど、ちゃんと自分の目で見ることは彼女の責任だ」と話している。
今回調査が入ることに対し、3人のプロデューサーは声明を発表。「番組開始から約20年、3000ものエピソード、1000人を超える従業員を抱え、私たちはオープンで安全な職場環境を作るために努力してきました」「この制作チームに、一人でもネガティブな体験をした人がいると聞き本当に心を痛めています。私たちはそういう人ではないし、そういう人になりたくないのです。エレンが私たちに課したミッションでもない」と、今後よりよい職場環境のために努めると書いた。
「エレンの部屋」は現在新型コロナウィルスの影響で、エレンの自宅で撮影し配信されている。しかしパンデミックの影響や悪評が続き、視聴率が低下。番組終了の危機に瀕しているとも報道されている。