ディズニー史上最強ヒロインを描くファンタジー・アドベンチャー『ムーラン』。新型コロナウイルス感染拡大の影響で公開延期、そして無期限延期など、これまでさまざまな発表がされてきたが、ディズニー社は8月4日、実写版『ムーラン』を米ディズニープラスで有料配信することを発表。その少し高めの値段設定に、驚いたファンも少なくない。
新CEOのボブ・チャペックは「この予測不可能な時期でもお客様のニーズを満たすため、この家族向けの映画を公開する別の手段を考えました。一部再開している劇場と、ディスニープラスで同時に公開します」と発表。『ムーラン』は米ディズニープラスで9月4日から有料配信され、価格は29.99ドル(約3300円)。ボブ・チャペック氏が述べた“一部再開している劇場”がどこのことを指しているかは不明だが、メディアは中国ではと伝えている。
ScreenRantによると、この29.99ドルという価格にはいくつか理由があるようだ、まず一つ目は、『ムーラン』製作に2億ドルもの費用がかかっていること。そして2つ目は、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の優勝決定戦「第54回スーパーボウル」のテレビスポットなど、ディズニーがマーケティングに多額を費やしていることが挙げられている。
また、この有料配信は、ビジネスの観点から『ムーラン』に利益をもたらしているようだ。『ドクター・ストレンジ』共同ライターのC. ロバート カーギルの指摘によると、この29.99ドルという価格が、流通チェーン (レンタル/物理/ケーブル/ストリーミング) の残りの部分を保護する役目を果たしているという。今回の有料配信が、実際どのような効果をもたらすのだろうか・・・ストリーミングサービスビジネスの今後の参考にもなることだろう。