ダイエットに成功した英人気歌手のアデル(32)が、ビキニ姿を披露。多くの人々から称賛を受けると同時に、彼女の髪型やファッションが一部から「文化の盗用だ」と批判されている。
アデルは8月30日、インスタグラムに写真を投稿。そこで彼女はジャマイカの国旗柄のビキニトップにレギンス、そして髪型はアフリカのバントゥー系民族をルーツにもつ「バントゥー・ナット」をした。アデルはこの写真に「ノッティング・ヒル・カーニバルが開催されたらこんな感じだっただろうな」とキャプションをつけている。
アデルは今年1月頃より、以前よりかなりほっそりした姿が目撃されており、最近では積極的に自身の写真を投稿。過去に関係者が話したところによるとアデルはワークアウトに真剣に取り組んでおり、なんと約44キロも体重を落としたという。健康的な美しさを手に入れたアデルのビキニ姿に「美しい」といったファンの書き込みが多くされた。
一方、体型以外に注目を集めたのは彼女のファッションと髪型。ジャマイカの国旗デザインのビキニに、アフリカ系民族の髪型をしたため一部から批判とコメントが続いた。とあるユーザーは「これは一線を超えていてアウト。私たちは自分の髪を嫌うように教えられたのに、他の人種が“ファッショナブル”にこの髪型を楽しむなんて。ブレイズやコーンロウの髪型もそうだけど、盗むのはやめて!」と長文で書いている。
しかしアデルがキャプションに書いた「ノッティング・ヒル・カーニバル」とは、そもそも人種差別問題に対する建設的な解決のひとつとして開始されたものであり、カリブ文化をテーマとし毎年開催されるフェスティバル。今年は新型コロナウィルスの影響で中止となった。このカーニバルはカリブ文化への理解を深めたり好きになることが前提であるため、白人がこのようなファッションをすることは問題ではなく、むしろポジティブなことであるはずだ。
コメント欄にはジャマイカのファンから「アデルがどんな髪をしようと気にしない。彼女はディスっているわけじゃないし、愛があるからやっている。ネガティブなことに気を向ける時間はないよ。アデル、あなたは間違っていない」「ジャマイカ人は私たちの文化が愛されているのを見るのが大好きです」「アメリカ人は何もわかってない・・・ノッティング・ヒル・カーニバルでこれをするのはとても普通で、ロンドンではみんなこれをやってる」とアデルを擁護する意見も出ている。
他の人種の伝統的なファッションや言葉、髪型をすると「文化の盗用」だと批判されるケースは少なくない。過去には歌手のアリアナ・グランデが、手のひらに「7 Rings」の意味で「七輪」とタトゥーを入れた際にも文化の盗用だと批判が相次いだこともある。境界線が難しい問題ではあるが、今回のアデルのファッションはカーニバルのテーマに基づいたものであることは確かだ。