映画『スター・ウォーズ』シリーズ続三部作でフィン役を演じた俳優のジョン・ボイエガが、ディズニーのキャスティングについて批判している。
先日GQマガジンの取材に答えたジョン・ボイエガは、「プロジェクトに参加できたとしても、全てが思うようにできるとは限らない」と語り、「ディズニーは、黒人キャラクターをすごく重要な役割を担う存在であるかのように宣伝するけど、実際の作品内では脇役に追いやられている。率直に言って、それはよくない」と告白した。
最新の『スター・ウォーズ』シリーズでは唯一の黒人キャラクターであるフィンを演じたボイエガは、当初は最新作のキーとなる人物として紹介され、2015年に公開された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』では自身のライトセーバーまで手にしている。しかし、作品が進むにつれて、唯一のアジア系俳優であるケリー・マリー・トランとともに存在感のないキャラクターになってしまっているのだ。
ボイエガは、「彼らはまるで、ぼくたちがカイロ・レンやレイを演じるかのようなニュアンスで伝えてくるんだ。でもね、実際は全くそんなことないんだよ」と語っている。
さらに、「人種差別を受けたことがある出演者なんて、ぼくぐらいじゃないだろうか。『あれも黒人、これも黒人、おまえはストームトルーパーになるべきじゃない』なんてダイレクトメッセージを送られたり、脅迫されたりした出演者なんていないだろう。そんな経験した出演者なんていないから、ぼくがこういう行動を起こすと驚かれる。それがまたストレスなんだ」と苦しい胸の内を明かした。
今年はじめ、ボイエガはファンからの声を受けてロンドンで行われた「Black Lives Matter(黒人の命は重要)」デモでのスピーチを行っている。涙をこらえながらデモ隊に訴える動画は今や世界中に拡散されている。
このスピーチの中で彼は、「ぼくは芸能の世界で働くものとして言えるのは、このフィルターはぼくたちが持つ能力や知識を活かして取り払わないといけないということ。怒りの感情を持つ瞬間もあるだろうが、冷静になって考える時間も必要だ」と語っている。