2005年に公開された『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』。この作品内で繰り広げられたヨーダと皇帝パルパティーンことダース・シディアスの対決は、ヨーダが「逃げ出す」という形で幕を閉じた。
戦いは非常に激しいものだった。お互いの力は互角のように思われたが、有利に立ったパルパティーンが頭上であざ笑う姿を見たヨーダは自分の力が遠く及ばないことを悟り、その場を去ることを決意する。シスが再び力を持つことを許してしまったジェダイ・マスターであるヨーダは、その後シスから身を隠し、隠匿生活を送ることになった。
ヨーダは戦いのあと、決して体力的に弱っていたわけではなかった。しかし、多くの仲間たちの死を目の当たりにし、その場所から逃げ出したという事実から、精神的にまいってしまっていたのだ。常にフォースのライトサイドとともにあるヨーダだったが、このときばかりはダークサイドにも堕ちそうなほどだっただろう。
なお、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』のノベライズ版では、戦いから逃げることを決意したヨーダの心境について、詳細が描かれている。この決断は自分自身だけでなく、ジェダイ全体のことを考えたものだったというのだ。
当時、ヨーダはシスが学習し力を伸ばし続けていることを知ってしまった。ジェダイはこれまでのやり方にとらわれるあまり、何が起こっているのかに気づいていなかったのだ。小説の中では「とうとう彼は真実に気づいてしまった。シスが、自分では絶対に手にすることができないような大きなパワーを持っているということに。シスはフォースの力やジェダイを何千年にもわたって研究しつづけ、そのたびに力を伸ばしてきていたのだ。シスは進化した。ジェダイが同じことを繰り返しているあいだに。新たなシスはライトセイバーだけではなく、フォースを用いたどのような武器を使っても倒すことはできないだろう」とつづられている。
ヨーダは、ここでパルパティーンを倒したところで、シスそのものを壊滅させることは難しいと考えたのだろう。ジェダイはもう一度集い、考えを改めなけれならなかった。ヨーダはあえて逃げることで時間をつくり、パルパティーンとシスを倒すことできる人物を待ち続けたのだ。