日本時間2020年10月25日午前7時に開催されたビリー・アイリッシュ自身初の「WHERE DO WE GO? オンラインライブ」。新型コロナウイルス拡大の影響で今年3月12日に行われたノースカロライナ州での公演を最後にワールド・ツアーの延期が続いていたが、約7カ月ぶりにライブストリーミングという形でファンの前に戻ってきたビリー。地元である米ロサンゼルスからライブ中継され、世界中にいるビリーファンとリアルタイムでパフォーマンスを観ることができた貴重な体験であった。
午前6時から開始したプレショーでは、冒頭にビリー・アイリッシュの父・パトリック・オコネルが登場し、ファンたちへ激励の言葉を述べた。その後、リゾやアリシア・キーズ、スティーヴ・カレルらがゲストとしてリモート出演し、来週に控える大統領選挙の投票を促すコメントを送ったり、来年公開予定のドキュメンタリー『Billie Eilish: The World’s A Little Blurry (ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている)』の未公開映像が初解禁されたりした。その間にはビリーのトリビアクイズが出題され、オンラインだからこそできる楽しみも。チャットルームには、英語・スペイン語・ポルトガル語の他になんと日本語も用意されており、ファン同士のコミュニケーションも広がっていた。
先日、ビリーがインスタグラム上でファンと大論争を起こした「このスニーカーが何色に見えるか?」バトル。その発端になったスニーカーはどのメーカーだったか?というトリビアも出題された。
午前7時からのライブでは、「家にいるみんな、元気!?生配信始まり!」と意気込んだビリーの掛け声と共に、「bury a friend」でスタート。GUCCIの衣装で登場したビリーは「スタッフしかいなくて、ほぼ空っぽの会場だけど、すごく雰囲気が良くて最高。I MISS YOU GUYS!! (みんなに会いたい!!)」と挨拶し、「you should see me in a crown」「my strange addiction」「ocean eyes」を続ける。360°の巨大LEDスクリーンと最先端のXR技術を駆使したライブセットでは、まるで巨大蜘蛛がビリーに襲い掛かっているように見えたり、画面越しでも立体的空間にいるような演出で見る側を圧倒した。そしてビリーが霧の中に消えたかと思えば、「xanny」のMVが再現されたかのように、あのベンチに座っているではないか!
「you should see me in a crown」巨大蜘蛛がビリーを襲う!?
「xanny」ではMVを再現
ライブ中盤では「こんなことをするのは初めてで、とても嬉しい。」と話しながら、自身の兄で唯一のコラボレーターであるフィニアスを紹介。近々、新曲がリリースされることをほのめかした後、「i love you」を歌い始めた。満月が背景に映し出された後、ビリーとフィニアスは宙に浮かび、なんとも幻想的なシーンに。コーチェラ・フェスティバルで話題となった空中に浮かぶベッドの演出はまだ記憶に新しいが、この1年間での急激な状況の変化を改めて感じ、目頭が熱くなった瞬間だった。
「i love you」で宇宙に浮かぶビリーとフィニアス
ライブ中盤では「ilomilo」「No Time To Die」「when the party’s over」といった人気の楽曲を連発。環境問題について歌った「all the good girls go to hell」では、近日被害が拡散している山火事や海洋汚染の映像が映し出され、気候変動の重要性をアピールした。途中のトークでは、「唯一オンラインライブのいいところは、会場で気絶している人を見なくていいことだね。いつもみたいにさ。(笑)」とジョークを交え、事前に選ばれた500人のファンと交流する場面も。
「ilomilo」でもMVを再現
「No Time To Die」
ファンとの交流
一転、【NO MUSIC ON A DEAD PLANET (死んだ惑星に音楽は存在しない)】と文字が出てきたかと思えば、「投票して!未来があるのは若者なんだから!皆が死なない限り。(笑) トランプはまじ最悪、絶対投票して。お願い!」と話し、大統領選挙への投票を何度も訴えかけた。
「NO MUSIC ON A DEAD PLANET」トーク
終盤では、今年の新曲「everything i wanted」から「my future」へ。ビリーがアニメキャラクターとして登場した同MVは話題を呼んだが、あの情緒的な世界が3D空間で再現され「恋してる。自分の未来に。」と歌う彼女に勇気づけられたファンも多いのではないだろうか。約1時間というあっという間のオンラインライブであったが、最後は笑顔で「本当にありがとう!早くみんなに会いたい!その日を楽しみにしているから!」と言い残し、「bad guy」で締めくくった。
「my future」
「bad guy」
ビリーの世界観が見事に発揮されたセットで、スムーズなリアルタイム視聴もできた。高音質で彼女も歌声も聞けたし、なんとも素晴らしいオンライン体験だった。彼女の躍進はまだまだ止まらないようだ。
エンドクレジット
セットリスト
bury a friend
you should see me in a crown
my strange addiction
ocean eyes
xanny
i love you
ilomilo
No Time To Die
when the party’s over
all the good girls go to hell
everything I wanted
my future
bad guy
ビリー・アイリッシュ プロフィール
2001年12月18日生まれの18歳、米国ロサンゼルスのシンガー・ソングライター。
2019年3月に発売したデビュー・アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』は英米を含め全世界18ヵ国で1位を獲得。
2020年1月に開催された「第62回グラミー賞」で、史上最年少18歳で、年間最優秀レコード、年間最優秀アルバム、年間最優秀楽曲、最優秀新人賞の主要4部門に加えて合計5部門を受賞。
主要4部門の獲得は39年ぶりの史上2人目、最年少、初の女性という偉業を達成した。
2020年11月20日(金)に公開予定の映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌「No Time To Die」を歴代最年少の18歳で制作&歌唱を担当。同シリーズの主題歌としては史上初の全英チャート1位を獲得。
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