日本で12月4日に公開される新作映画『魔女がいっぱい』。同作で女優のアン・ハサウェイが大魔女“グランド・ウィッチ”を演じているのだが、このキャラクターの描写に対し、手に障害を持つ人から批判が集まっている。
同作の舞台は60年代のとある豪華ホテル。そこに現れたのは、おしゃれで上品な美女たち。しかしその中身は、美しい外見を壮大に裏切る誰より危ない邪悪な大魔女“グランド・ウィッチ”だった。
先日この作品の場面写真が公開されたのだが、グランド・ウィッチは指の数本が欠けているといった見た目をしている。この描写が、手足の指が一本またはそれ以上欠けている四肢欠陥を持つコミュニティから批判が集まったのだ。この障害はスプリット・ハンド(Split Hand)とも呼ばれている。
イギリス人パラリンピック水泳選手のエイミー・マレンも、このグランド・ウィッチの描写について声を挙げた人の一人。彼女は「がっかりです・・・私はそれぞれ違った体、特に肢体障害について支持し、強く提唱してきました。グランド・ウィッチのような手を作り、人と違った体がまるでなにか怖いものかのように、子供や大人に見せるのは腹立たしいです」とツイッターに投稿した。
これらの意見を受け、ワーナー・ブラザーズはUS Weeklyに対し謝罪のコメントを発表。
「『魔女がいっぱい』のフィクションのキャラクター描写が、障害を持つ方々を傷つけてしまったことを知り深く悲しんでいます。同作により気分を害された方には本当に申し訳ございません」
「原作を映画化する際、原作にも書かれていた“猫のかぎ爪”のような手を再解釈するためにデザイナーやアーティストと作りました。このファンタジーであり、人間ではないキャラクターが彼ら(障害を持つ人々)を象徴するように意図的に描いたわけでは決してありません。この映画は優しさや友情のパワーの物語です。この力強い、愛に溢れた映画を家族や子供たちが楽しんでくれることが、私たちの望みです」
『魔女がいっぱい』は『チャーリーとチョコレート工場』のロアルド・ダールが原作、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など夢と感動の作品で世界中を希望に包むロバート・ゼメキスが監督を務めるという大作。劇中ではファッションやメイクを含め、主演のアン・ハサウェイにも注目が集まっている。