今年1月、歌手ジェニファー・ロペスの制作会社「ニューヨリカン・プロダクション」に対し、2019年に公開された映画『ハスラーズ』のモデルとなったとされている女性サマンサ・バーバッシュが、名誉棄損などで訴訟を起こした問題。このたび、連邦裁判所はサマンサ・バーバッシュの訴えを棄却したという。これにより、約1年近くにわたった法廷闘争は終わりを迎えることになった。
映画『ハスラーズ』は、ジェニファー・ロペスが製作総指揮と主演を務めたクライム映画。ジェニファーはストリッパー役を演じ、その演技は批評家たちからも高評価を受けた。しかし、主人公ラモーナ・ヴェガの基になったサマンサ・バーバッシュは、映画が公開されたときにその内容に嫌悪感を募らせ名誉毀損で訴えたが、連邦裁判所はサマンサ・バーバッシュの訴えを棄却した。
サマンサ側の弁護士はE!Newsに対し、「依頼人はジェニファー・ロペスとその制作会社が彼女を基にした映画によって多額の利益を得たにも関わらず、本人が一切の謝礼を受け取れなかったという訴えが棄却されたことに対し、大変失望しています。ジェニファーやこの映画の監督は女性の権利を支持していると公言している一方で、サマンサのプライバシーを考慮していないことは偽善ではないかと考えるのです。現在サマンサは上告を検討しています」とコメントを寄せた。
The Blastが得た裁判資料によると、サマンサはニューヨリカン・プロダクションだけでなく、STXエンターテイメント、グロリア・サンチェス・プロダクションズ、ポール・シスターズLLCを相手取り4000万ドル(約41億8000万円)の損害賠償を求めていた。
サマンサは制作会社側が映画制作にあたり彼女をたずね、彼女をモデルにした映画を作ることに同意を求めていたという。しかし彼女は、プライバシーが侵害されることから同意書にサインすることを拒否したとそうだ。
それにも関わらず、映画は基となった事件の新聞記事の内容などから制作され、その中で彼女のキャラクターは子供の前で違法な薬物を使うなど、サマンサにとっては「ウソだらけで怒りを覚える」内容だったという。
サマンサは損害賠償に加え、映画のコピーを差し出すことも求めていた。