大人気ファンタジー映画『ハリー・ポッター』シリーズで第1作目と2作目の監督を務めたクリス・コロンバスが、実は2010年と11年に公開された2部作『ハリー・ポッターと死の秘宝』でも監督をつとめたかったと明かした。
約20年前に公開されたシリーズ第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』は、世界中で大ヒット。主人公ハリー・ポッター役をつとめたダニエル・ラドクリフや主要キャストたちは一躍スターとなった。
この成功の立役者こそが、監督のクリス・コロンバスだ。クリスはこの映画を確実にヒットさせるため、セットやCGの効果的な使い方、配役や俳優たちの演技の細部に至るまで徹底的にこだわった。
最初の2作を立て続けに制作したあとは『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でプロデューサーに転向。その後、このシリーズの制作から身を引いた。その後の5作品にクリスは携わっていないが、決してクリス自身がやりたくなかったからではない。
先日「Collider」誌のインタビューに答えたクリスは「頼まれれば、『ハリー・ポッターと死の秘宝』でもメガホンを取っただろう」と語っている。なおこの作品は『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』などで監督をつとめたデヴィッド・イェーツが監督している。クリスはデヴィッド・イェーツが仕上げた作品について「できることなら、最後の2作品にも携わりたかった。でも、イェーツが続投するっていうことだったからね。でもそれで正解だったよ。とくに最後の作品は私もとても好きだ。『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2』は本当にすばらしい映画だよ」と賛辞を送っていた。
確かにクリスは、シリーズ第1作目と2作目を大成功に導いた。しかしだからと言って、最後の2作品も成功させることができたとは限らないだろう。これらの作品はストーリーやトーンが全く異なるからだ。 クリスは『ハリー・ポッター』より以前に、『ミセス・ダウト』や『ホーム・アローン』などコメディを中心に手がけている。シリアスな作品に対応できないとは言い切れないが、最後の2作品をファンが期待するように仕上げるには、これまでとは全く異なるスキルが必要となっただろう。