人気ファンタジー映画『ハリー・ポッター』の、実写ドラマ版の制作が始まっていると報じられた。
ハリー・ポッターと賢者の石【予告編】
「ハリー・ポッター」は、イギリスの作家J・K・ローリングによる児童文学、ファンタジー小説シリーズ。1990年代のイギリスを舞台に、魔法使いの少年ハリー・ポッターの学校生活や、ハリーの両親を殺害した張本人でもある強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁と戦いを描いた物語だ。第一作目の『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年)を筆頭に、シリーズすべてが映画化され大ヒットとなった。主人公ハリー・ポッター役をダニエル・ラドクリフが、ハーマイオニー・グレンジャー役をエマ・ワトソンが、ロン・ウィーズリー役をルパート・グリントが演じた。
The Hollywood Reporterは1月25日、小説をもとにしたテレビシリーズの制作を米動画配信サービスHBO Maxで進行中であることを、ワーナーメディア社のエグゼクティブが証言したと報道。現在は候補の脚本家らとストーリーの可能性について話している段階であるが、脚本家やキャストなどは誰も決定していないと報道した。
このニュースに多くのファンは期待を寄せたのだが、その後Entertainment Tonightによると、HBO Maxとワーナー・ブラザーズは共同の声明を発表。そこでは「HBO Maxで『ハリー・ポッター』のシリーズが制作されているという事実はありません」と、TVドラマ化はないと断言した。
多くの人が望む『ハリー・ポッター』のスピンオフやTVシリーズ化はなぜ難しいのだろうか。その理由として挙げられるのが、小説版の著者J.K.ローリングの昨年の“反トランスジェンダー的”炎上事件だ。
「トランスジェンダーの女性は生物学上の女性ではない」と唱えているローリング氏。彼女は昨年6月はじめに、「新型コロナウィルスが、いかに世界の“生理がある人”の健康状況を変えたか」といったタイトルの記事のリンクを貼りツイッターに投稿。ローリングは“生理がある人”という呼び方が気に入らなかったようで「“月経がある人”。昔はこの人たちに名前があったんだけどな。なんて名前だったっけ、誰か教えてくれない?」と、「生理のある人=女性(ウィメン)」と書かないことを指摘し、反トランスジェンダー発言であると、世界的に大バッシングを受けた。その後謝罪をしたが、「生理のある人すべてが女性なわけではない」などといった批判が相次ぎ大きな物議をかもした。
またTVシリーズ化が難しい理由は他にもある。ワーナー・ブラザーズは2016年、同作の国内放送権を米TV局NBCユニバーサルと結んでおり、この契約は2025年まで続くからだ。
ファンが期待するシリーズ化、やはり今回はなさそうだ。