2003年に公開された『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの1作目『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』。スリリングでスピーディーに展開されるアクション、その中に感動を呼ぶストーリーが大反響を呼び、ディズニーにとっては驚きとも言える大ヒットを記録した。
この作品により、ジョニー・デップ演じるキャプテン・ジャック・スパロウは一躍人気キャラクターとなったのだ。しかしながらその続編は、より複雑で奇妙なストーリー展開を取り入れたことにより1作目での成功はまるで魔法のように消え去り、ファンの間ではガッカリ感がただよった。その中には、制作スタッフ幹部があえてカットしたアイデアもいくつかあったようだ。
たとえばディズニーは当初、ジャック・スパロウの汚らしい見た目や大げさな身振りは観客に受け入れられないだろうと考えていた。ところが、この件に関してはディズニー側が見誤っていたようだ。
ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウはファンの間で広く根付き、彼なしでの『パイレーツ・オブ・カリビアン』はありえないとまで言われるようになった。そんなディズニー側は、ジョニー・デップからのキャラクターに関する要望を拒否する権利ももっていたのだ。そしてデップが出した要望の1つというのが、ジャック・スパロウの鼻を切り落とし、その見た目をファンタジー映画『ゲーム・オブ・スローンズ』に登場するティリオン・ラニスターのようにしてはどうかというものだった。
デップはこのキャラクターを演じるにあたり、様々な設定を自分の中で考えていたという。鼻がなく、その部分に血まみれの傷跡だけが残っている、というだけでなく、寒さやコショウなどを極端に嫌がるといった内容もそうだ。しかし、このアイデアに関してはディズニーから却下されたそうだ。