『スター・ウォーズ』ではこれまで、どのサーガにおいてもライバル同士の対決が描かれてきた。どの対決もストーリーの中で大きなインパクトを与えたのは間違いないが、特に惑星ムスタファーでのアナキンとオビ=ワン・ケノービによる対決には、心を打たれたファンも多かったのではないだろうか。
この対決は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の中で描かれた。かつての師匠と弟子はお互いの理想と、よき友人関係となることに失敗してしまった苦しみの中で闘ったのだ。8分間という長さの闘いは決して短いものではないが、じつは2人のキャラクターを表す天才的な工夫がなされている。
アナキンはライトセーバーの戦闘型「フォームV」の使い手だった。このフォームの特徴はとてつもなく素早く、攻撃的であることだ。一方オビ=ワンは「フォームIII」を使用しており、これは防御と反撃が特徴となっている。両者とも技の達人であり、これが運命的な闘いをさらに盛り上げていく。
2人はこの闘いに全てを捧げた。アナキンはオビ=ワンにプレッシャーを与え続け、防戦一方にしている。しかしこれはオビ=ワンにとっては得意とするところなのだ。激しい闘いの中で、アナキンの攻撃は全てうまくかわされていたのだった。
アナキンがシス卿となった際、その強さから勝てるものはいないと思われた。しかしオビ=ワンは、彼との闘い方を知っていたのだ。彼は多くの攻撃を受ける中で学び、そしてアナキンを倒した。
[PR]さらにオビ=ワンは、過去にダース・モールとの闘いに負けた経験から学び、それをアナキンとの闘いに生かしていた。強さにあぐらをかいてきたアナキンは、オビ=ワンの経験からくる強さには勝てなかったのだ。
アナキンといえば、考えるよりも先に行動に移してしまうタイプだ。ダークサイドに落ちていく過程でも、その性格が描かれてきた。今回の闘いでは、そんな感情的なタイプのアナキンと、頭脳派のオビ=ワンをストーリー展開の中で描きながら、実際の闘いではどうなるのかを示した天才的な例だったのだ。