『スター・ウォーズ』で、もし少年時代のアナキン・スカイウォーカーとルーク・スカイウォーカーが惑星タトゥイーンで出会っていたら、どうなっていたのだろうか。
かつて、Dark Horse Comicsは「Star Wars Tales」というアンソロジー・コミックを販売していた。それぞれの号には様々なショート・ストーリーがおさめられており、人気を博していたのだ。
その中の1つに、アナキンとルークが「フォース」とは何かと知る前であり、その運命やパワーを共有していたとしたら、という展開を描いたストーリーがある。
[PR]2003年に発売された「Star Wars Tales」15巻に収録されているこの物語。原作をジェイソン・ホール、作画をサニー・リーがつとめ、タイトルは「Sandstorm(砂嵐)」だ。ストーリーは少年のルークが、自分の父親について何も話してくれない叔父のオーウェンとベルーに嫌気がさし、育った場所から逃げ出すところから始まる。ところがその直後、史上最悪の砂嵐に巻き込まれてしまうのだ。うねりを上げる砂のなかで、ルークは黒い兜のようなものを身に付けた何かを目にする。しかしその姿は消え、現れたのはアニーと名乗る1人の少年だった。
洞窟の中に逃げ込んだ2人は、「砂漠の星タトゥイーンを去り、いつか大物になる」という同じ夢を持っていることを知る。さらに、ポッドレーサーへの熱い思いについても語り合うのだった。
このような物語はカノン(正史)ではもちろん考えられないことだが、ルークがアナキンと同じ夢を持っていたことから、彼がいかに父親に似ていたかがわかるだろう。最終的にダークサイドとライトサイドに分かれてしまうことになるが、少なくとも少年時代は、「砂漠の星を抜け出し、宇宙を見たい」という同じ夢を持つ普通の少年だったのだ。
嵐が去り、ルークはオーウェンおじさんに救助される。アニーとの会話は、全てルークが砂の中で見た夢だったのだ。しかしもしかすると、自分の父を知りたいというルークのフォースが与えた夢の時間だったのかもしれない。