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最終シーズン「サバヨミ大作戦」は、先ずパラマウント+で近日中に配信開始 ケーブル局で観ていたファンは当分御預けを食うことに

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シーズン6のフィナーレ回で、同棲しようと言われたライザ(サットン・フォスター)は、即答できない。チャールズ(ピーター・ハーマン)は、未だにジョシュに未練たっぷりのライザにプロポーズに踏み切れないのか?Coutesy of TV Land

2020年12月11日に「益々猛威を振るうパンデミックに翻弄される米テレビ業界 ー コメディ、ドラメディー編」で取り上げた、2019年9月4日を最後に画面から姿を消してしまった「サバヨミ大作戦」の最新情報を入手しました。

クリエイターのダーレン・スターと、主人公ライザを好演するサットン・フォスターが、「お待たせしました」トレーラーを発表しました。アラフォーのバツイチママが紆余曲折を経て、最終的に1)バツイチパパながら年相応のチャールズ(ピーター・ハーマン)、2)元カレの若いツバメで、こちらもバツイチパパになったジョシュ(ニコ・トルトレッラ)、3)元旦那デビッド(ポール・フィッツジェラルド)のいずれを選ぶのか、ライザが第二の人生を誰とどう生きるかが論点ですから、擦った揉んだのとどのつまりは?が問われる筈です。

 

昨年、デビー・マザールのコロナ感染でシーズン7の撮影が中断された折に、クリエイターは「シーズン7を以って『完』とする予定だが、まだ二通りの結末のいずれにするかは決めかねている」とインタビューに答えています。26歳と偽って出版界の仕事を手に入れた詐欺行為は、シーズン6に周知の事実となった訳ですから、アラフォーのバツイチママが今後をどう生きて行くかに、有終の美を飾れるかどうかがかかっています。私は、「グッドワイフ」のアリシアのように、背筋を正して堂々と独り歩きを始めるライザに賭けます。’有毒な男らしさ’に振り回されて堪るかと謳う女性中心主義の作品が続々と登場する昨今、ライザも不死鳥にならなければ嘘です。

ジョシュ(ニコ・トルトレッラ)の言葉を信じて、サバヨミに踏み切ったものの、嘘を付くことや体裁を繕うことに嫌気が差すライザ(フォスター)。Courtesy of TV Land

 

但し、最終シーズンがいつお目見えするか、肝心なことが抜けているトレーラーには、ずっこけてしまいます。種明かしをすると、ケーブル局TV Landで、アラサー受けを狙って登場し絶大な人気コメディの地位を譲らなかった「サバヨミ大作戦」ファンをそっくりそのまま、動画配信サービス「パラマウント+」の新規登録ユーザーに取り込もうという魂胆なのです。3月4日に開始したバイアコムCBSのパラマウント+では、既に「サバヨミ大作戦1~6」を視聴することができ、「近日中にフィナーレ・シーズン12話を配信しますから、是非ご登録を!」と呼び込み作戦に出ました。TV Landで「サバヨミ大作戦」を観ていた(時代の流れに逆らう?)ファンは、今秋?下手をすれば、冬?まで指をくわえて待つしかないのです。ネタばれは見え見えですよね?残酷!

パラマウント+は、2014年に動画配信を始めたCBS All Access(「グッドファイト」をはじめとするオリジナル番組+CBSで放送された番組の見逃し視聴やライブラリー番組+スポーツの実況中継)に、バイアコムCBS傘下のケーブル局ニコロデオン、MTV、 BET 、Comedy Centralの番組が追加された動画配信サービス会社です。

道理で今年から地上波局CBSのVODからほとんどの番組が姿を消してしまった訳です。お陰で、どうしても見逃せないドラマ「All Rise」「FBI」「The Equalizer」はDVRで予約録画し、見逃しても泣くほどではないコメディ2本は、テレビ評論家に授けられた無料CBS All Accessで観ることになりました。無料CBS All Accessでは、ライブラリー番組はコマーシャルはありませんが、現在放送中の作品は、鬱陶しいコマーシャルを延々と耐えなければなりません。パラマウント+動画配信サービスが、サッカー、バスケ、ゴルフなどスポーツの実況中継で差別化を計れば、地上波局もケーブル局も存在価値がなくなってしまうわけで、動画配信サービス会社(現在米国には300社弱が存在)のみがしのぎを削る世界がもうそこまで来ていると察知できます。世の中、複雑化はしても、簡素化はされませんね?単純人間にはもう、ついて行けません。

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