ジャスティン・ビーバーの最新アルバム「ジャスティス(原題:Justice)」に、批判が殺到している。彼はこのアルバムの中で、「私には夢がある(I have a dream)」のスピーチで知られ、アフリカ系アメリカ人の公民権活動で指導者として活躍したマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の発言を引用していたのだ。
ジャスティン・ビーバーがこのアルバムをリリースしたのは3月19日。収録曲1曲目である「2 Much」を聴いてみると、最初に流れてくるのはジャスティンの声ではなくマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が「Injustice anywhere is a threat to justice everywhere.(至る所にある不正義が、至る所にある正義をおびやかしている)」と語る音声だ。大変力強く、もっともな発言であることは間違いない。しかしこの発言が、ラブソング「2 Much」の冒頭に使用されていたことに多くの人々が納得いかなかったようだ。
【音源】Justin Bieber – 2 Much (Visualizer)
ツイッター上にはジャスティンのこの「配慮のなさ」を批判する声が相次いでいる。今回のアルバムは「Justice(正義)」というタイトルにも関わらず、社会正義について歌っている内容ではなく、ジャスティンの代名詞とも言えるポップバラードやダンスナンバーばかりなのだ。もちろん曲自体はいいものだが、キング牧師との関連性はみられない。
他にも、アルバムの途中の「MLK Interlude」では約2分間にわたるキング牧師の発言が収録されている。楽曲「Die For You」の1つ前だ。楽曲のタイトルからキング牧師が暗殺された事件に関連した歌なのかと思いきや、カワイイ女の子に向けたアップビートなラブソングだった。
【音源】Justin Bieber – MLK Interlude (Visualizer)
ポップミュージックの才能は誰もが認めるジャスティンだが、今回キング牧師のスピーチを取り入れたことに満足いかなかったと感じる人たちもいたようだ。