数年前に発表されていながら進展をみせていなかった、ジョニー・デップ主演の最新クライム映画『シティ・オブ・ライズ』だが、先日ついにリリースされることとなった。『シティ・オブ・ライズ』はランダル・サリバンのノンフィクション「LAbyrinth」を原作とした、1997年に発生し未解決となっている「ヒップホップ史上最悪の事件」といわれるラッパー2PacとノートリアスB.I.Gの暗殺事件とこの捜査に挑む警官を描いた物語だ。ジョニー・デップはロサンゼルス市警察の警官ラッセル・プールを演じる。
この映画は2017年5月には完成していたにもかかわらず、全米の劇場で公開されるようになったのは今年3月19日からだ。なぜここまで時間がかかってしまったのだろうか。
ハリウッド映画の公開が延期される際、その理由が公表されことはあまりない。今作の配給会社であるSaban Filmsや他に映画に関わった製作会社も同様の対応だった。その中でも、有力とされる説がいくつかある。
『シティ・オブ・ライズ』は当初、2018年9月7日に公開を予定していたが、その1か月前に延期が発表された。ジョニー本人と監督のブラッド・ファーマン、そしてプロデューサー数人がロケーションマネージャーであるグレッグ・ブルックスから訴えられていたという。グレッグ・ブルックスは怒ったジョニーからセット内で体当たりされ、訴訟に発展させないようにと諭されたことを拒否したことから解雇されたと主張していた。なお当時その場にいた複数のスタッフは、ジョニーとグレッグの間で口論はあったものの身体的な攻撃はなく、撮影も再開されたと語っている。
また、公開の延期にはジョニーと元妻アンバー・ハードとの間で怒っているドロ沼離婚裁判も関係してるのではないかとされている。この裁判でジョニーはアンバー・ハードに家庭内暴力をふるっていたと訴えられていた。なおこの裁判の影響でジョニーは『ファンタスティック・ビースト』シリーズのグリンデルバルド役を降板している。
この他にも映画の公開にロサンゼルス市警察が難色をしめしていたという話も出てくるなど、今回の延期にはさまざまな原因が考えられる。これらを踏まえて映画を見てみると、何か新たな発見があるかもしれない。