人は誰でも、ずっと記憶しておきたいすばらしい思い出を持っているものだろう。しかしアーティストにとっては、自分が発表した曲全てがずっと記憶にとどめておきたいすばらしいものであるとは限らないようだ。
実はこれまでにも多くのアーティストたちが、過去にスマッシュヒットを記録した楽曲であっても今となっては気まずく、恥ずかしさを感じるものもあるということを暴露している。今回は、そんな「今となっては後悔している曲」を告白した大物アーティストたちとその楽曲をまとめてみた。
デミ・ロヴァート「Demi」/「Confident」
どちらのアルバムも後悔しようがないほどすばらしいものだったが、本人にとっては違うようだ。デミ・ロヴァートは最新インタビューで、自分ではこのアルバムを積極的に聴こうとしないとしたうえで、「このアルバムが当時私の生活に関わってきた人たちを思い出させるものだからか、それとも単にしっくりこないからなのかわからないんだけどね。『Skyscraper』がグラミー賞にノミネートされた当時の私は本当に自身に満ち溢れていて、いまならチャンスがつかめるかもしれないって思ったの。それで次のアルバムを出したけど、うまくいかなかった」と明かした。
その後彼女は、「うまくいくポップ歌手の方程式」をテーマに活動したそうだが、肌を見せたり、体型をよくしたり、体のラインが見える衣装を着てみてもどこか違和感があったという。デミはその後、「そんなものでは全然満たされなかったわ。23歳の頃の私より、15歳の私の方が、自分のことをよくわかっていたような気がしたの」と続けていた。
ジェームス・ブラント「You’re Beautiful」
2005年に世界中で大ヒットしたこの楽曲。それでもジェームス・ブラントが後悔している理由は「世界中に溢れすぎた」ためだったそうだ。彼はかつてのインタビューで、「もうみんな聴きすぎて、むしろうっとおしいとさえ感じているんじゃないかな。それに、歌詞の内容がアーティスト本人を表しているとは限らないんだよ」と語り、世間から「とてつもなく真面目な人」だという間違った印象を持たれていることを明かしていた。
ニルヴァーナ 「Smells Like Teen Spirit」
ニルヴァーナにとっての代表曲となったこの楽曲。しかしライブで披露される機会はそう多くなかった。ボーカルのカート・コバーンはRolling Stone誌のインタビューにて、「あんなにヒットしたのは、MTVで何百万回と放送されたからだよ。もう脳に刷り込まれたんだ。でも、僕が書いた曲には他にもいいものがたくさんある。『Drain You』なんて、『Teen Spirit』と同じくらい間違いなくいい曲だ。歌詞も好きだし、演奏してて飽きない。でももし『Teen Spirit』と同じくらいヒットしていたら、僕はそこまで好きにならなかったかもしれないな」と語っている。
レディー・ガガ 「Do What U Want (feat. R. Kelly)」
クリスティーナ・アギレラとコラボした「Do What U Want」は多くの場所で聴かれるが、アルバム「ARTPOP」に収録されたR.ケリーとのコラボバージョンは現在聴くことができない。これについてレディー・ガガ本人は、「この曲とミュージックビデオをつくった時、実は人生の中でもひどく落ち込んでいた時期だったの。トラウマを克服することができていなくて、怒りに満ちていたものだから、反抗的で挑発的なものを作ってしまった」と楽曲を削除した理由を明かしていた。
テイラー・スウィフト 「Picture to Burn」
テイラー・スウィフトはこの楽曲の歌詞の一部に後悔があるようだ。その歌詞とは「さあ、友達に言いふらしなさいよ。私が重くてクレイジーな女だって/まったく問題ないわ。私もあなたの友だちにあなたがゲイだって言いふらすし」という部分だ。
テイラーはその後MTVニュースにて、「『Picture to Burn』という曲は、『私は彼のトラックが嫌い』『彼に無視された!あんなヤツ嫌い』『もうとにかく大嫌い』っていう気持ちを込めた歌なの。でも実際に言葉にするのと、同じような痛みを感じるのでは、だいぶ違うわね」と語っている。物議をかもした歌詞は現在、公式ミュージックビデオからは削除されている。