今から約1億6千万年前、現在の中国にあたる場所の森林には、大きな丸い目と翼を持つ生物が住んでいたようだ。
先週金曜にGizmodo紙が報じたところによると、今年3月、国際的な研究者チームがジャーナル誌PeerJに新種の翼竜「シノマクロプス・ボンデイ」を発見したと発表したという。
記事によると、主に中国人と日本人で構成されているこの研究者チームは、中国河北省にあるジュラ紀の地層から化石を発見し調査したところ、新種の翼竜であることがわかったそうだ。
研究者らはレポートの中で「この標本は細かな部分が砕けてしまっていたのも関わらず、ほぼ完璧なものに近い。多くの新情報を提供してくれるだろう」とつづった。
さらに研究者チームはX線の技術を使い、絶滅してしまったこの翼竜が生きていた時の姿を再現させることに成功した。
再現された姿を見てみると、まるでモモンガのような愛らしさがありながら、その胴体はオオサンショウウオのようであり、大きな膜状の翼が左右に生えている。そしてまん丸の目と、微笑んでいるような大きな口、そして小さなしっぽを持っているのだ。
皮膚の表面は毛皮のようなものでおおわれていたと考えられているが、それは毛や羽のようなものとは全く異なり、独自の進化を遂げた房状の「ピクノファイバー」と呼ばれるものではないかと推定されている。
なお研究者チームは今回発見された翼竜はコウモリやヨタカの先祖で、暗闇で活動し昆虫を主食としていたのではないかと考えているという。
テキサス州にあるベイロー大学の古生物学者ミーガン・ジェイコブス氏によると、翼竜の骨は非常に細くもろいため、今回のように化石が発見されることは非常にめずらしいことだという。ミーガン・ジェイコブス氏は取材に対し、「このような初期の翼竜の発見は、彼らが進化の過程でどのように骨格を形成していったのかを解明するきっかけとなるでしょう」と語っていた。
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