先日、ヘンリー王子とメーガン妃が2500万ドル(約27億円)で音楽配信サービス「スポティファイ(Spotify)」と契約し、ポッドキャスト番組をスタートすることが発表された。これに海外のミュージシャンたちが怒りをあらわにしている。
現在、多くのミュージシャンたちが音楽ストリーミングサービスに参加しているが、1ストリーミングされるごとに得られる報酬はわずか1セント以下だと言われている。この現状を改善するため、ポール・マッカートニーやクリス・マーティン、ケイト・ブッシュ、ロバート・プラント、スティーヴィー・ニックスらイギリスの大物アーティストたちが今週、イギリス政府に対して申し立てを行った。
そんな中「Spotify」の重役オラシオ・グティエレスが、ヘンリー夫妻による道徳的なポッドキャスト番組により契約者が増えれば、苦境に立たされているミュージシャンが救われ、「好循環」が生まれると発言し、火に油を注ぐ事態となっている。
シンガーソングライターのカラム・ガードナーはStar誌の取材に対し、「僕は12歳の頃から曲を書いてきた」とし、「Spotifyからは支払いを受けていない。Spotifyに提供する曲を作るためにかかった経費を考えると全く割に合わないんだ。とても厳しいよ。でもSpotifyは巨大な力を持っているし、どういうわけかアーティストがみんな同意しているから、なすすべがないんだ」と苦しい立場にあることを訴えた。
さらに若いミュージシャンは、Spotifyがヘンリー王子夫妻に巨額の契約金を支払ったことについて、「道義に反するひどい仕打ち」だと語る。彼は取材の中で「Spotifyがやったことは非論理的だよ。僕たちがSpotifyで1回再生されるたびに支払われるのは0.0038ポンドなんだ。にもかかわらず、ヘンリー王子夫妻には数百万ドルも支払えるなんて!」と怒りをあらわにした。
そして「実際、僕たちがもらっているような金額でポッドキャスト番組をやりたいなんていう人はいないと思う。ただ、ヘンリー王子夫妻が世界中でやってきたことを考えるとリスナーにとって番組が良い内容になることは違いないと思う」と語り、「でも去年は、ミュージシャンにとって特に厳しい1年だったんだ。収入の大部分失ってしまったアーティストも多い。本当にひどい仕打ちだよ」と苦しい胸の内を明かしていた。
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