マーベル作品「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」には、女優エリン・ケリーマンが演じる悪役が登場する。そして実は彼女、2018年に公開された映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』にも悪役で登場していたのだ。
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」はディズニープラスでつい先日最終回を迎えた全6話からなるドラマで、『アベンジャーズ:エンドゲーム』のその後が舞台だ。一方『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、『スター・ウォーズ』の続三部作と旧三部作の間のできごとを描いている。
エリン・ケリーマンは「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でカーリ・モーゲンソウ役を、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ではエンフィス・ネスト役を演じていた。
実は『スター・ウォーズ』に出演していた俳優がマーベル作品にも登場することは珍しいことではなく、その逆もある。ナタリー・ポートマンやサミュエル・L・ジャクソンらもそうだ。
しかしケリーマンが『スター・ウォーズ』シリーズとマーベル作品で演じたキャラクターには、共通点がいくつかあるのだ。
たとえば、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で演じたエンフィス・ネストはクラウド・ライダーズと呼ばれる盗賊の副リーダーのような役柄で、主人公ハン・ソロと対立していた。
一方「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のカーリ・モーゲンソウは「フラッグスマッシャー」と呼ばれる革命家グループを率い、主人公たちと敵対する立場にあったのだ。どちらも悪役でありながら魅力的なキャラクターであったはずだが、視聴者には伝わってこなかった。
カーリには、フラッグスマッシャーとともに国境を超えて世界を1つにしたいという野望があった。これはエンフィスと重なる部分がある。しかしカーリは、その主張を世界に広めるために間違った方法をとってしまった。フラッグスマッシャーを過激派に仕立て上げ、スーパーソルジャーセラムと暴力に頼ることになった。そのためキャラクターの魅力がうまく描かれていなかったように思われる。
エンフィスとクラウド・ライダーズの扱いも同様だ。クリムゾン・ドーンと戦う理由は十分理解できるものだったはずたが、最終的に報われるような描かれ方をしなかった。
複雑なキャラクターを演じたケリーマンの能力の高さは評価されるべきだが、今後はキャラクターとして報われるようなストーリーと出会えることを祈るばかりだ。