『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、旧三部作にそのままつながっていく作品だ。しかしこの作品と旧三部作にて、ダース・ベイダーはまったく異なるライトセーバーの使い方をしている。
2016年に公開された『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、ギャレス・エドワーズの手によって全く新しいキャストで制作された。スピンオフとなるこの作品には、オリジナルでは見られなかったキャラクターも登場し、帝国軍に反乱軍が初めて勝利をおさめるきっかけとなっている。もちろん、オリジナルでもおなじみの面々も登場した。キャリー・フィッシャーが若いころに演じたレイア姫やピーター・カッシング演じるグランド・モフ・ターキンもCGIで再現され、エピソード4へのつながりをより自然なものとしている。
[PR]そしてダース・ベイダーが登場したことも、この映画を大きく盛り上げた。
作品の序盤で登場したダース・ベイダーは、攻撃してくる反乱軍の兵士たちを次々と倒し、デス・スター計画のコピーをいとも簡単に手に入れた。片方でライトセーバーを操り、もう片方でフォースチョークを繰り出すシーンはダース・ベイダーの強さを見せつけ、ファンたちを魅了したのだ。しかし不思議なことに、時系列上はこの後となるオビ=ワンとの戦いでは、ダース・ベイダーは両手にライトセーバーを持ち、まるでぐっと弱くなったかのようにゆっくりと動いていた。
一見制作上のミスかと思われたが、実はダース・ベイダーが力を落としたのには明確な理由があった。『ローグ・ワン』では、ダース・ベイダーの相手はフォースの使い手ではない兵士たちだった。そのため彼には簡単に倒せるという自信があったのだ。コピーを奪うという目的のため、急がなければならなったことも、あれだけのスピードが出た理由の一つだろう。
一方『エピソード4』で対峙したのはたった1人だったが、その相手はオビ=ワンだった。弟子として多くの時間をともに過ごした相手とあって、ダース・ベイダーは彼の能力がいかに高いか知っていたのだ。ダース・ベイダーが弱く見えた理由は、オビ=ワンの強さにあった。
ダース・ベイダーの戦い方が変わった背景には、彼の相手に対する姿勢の違いがあったのかもしれない。