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エプスタイン亡き後、被告ギレーヌ・マックスウェルに世間の目が集まる!「Epstein’s Shadow: Ghislaine Maxwell」ドキュメンタリー・シリーズ6月24日配信開始

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ギレーヌ・マックスウェルの生い立ちから収監中の現在までを綴るドキュメンタリー。若い時はいざ知らず、特に魅力的な女性だとは思わないが、男受けするタイプなのかも知れない。ギレーヌの下で働いた女性の「刻々と豹変するジキル博士とハイド氏のような上司だった」の証言が印象的だ。

かつては、「華麗なるギャッツビー」と呼ばれたこともある謎の成金ジェフリー・エプスタインが収監先で怪死を遂げた後(2019年8月)、行方を眩ましていたギレーヌ・マックスウェルが逮捕されたのは2020年7月2日のことです。マックスウェル被告は、1994~97年に渡り、エプスタインの異常な欲望を満たすために、18歳以下の少女を品定め・調達・仕込む等、エプスタインの売春組織のマダム役を務めていたと思われます。マッサージと言う名の性的虐待に手を貸した/自ら参加した等、人身取引、性的搾取、偽証罪をはじめとする計8件の容疑で起訴されています。今年11月末に予定されている裁判で全容疑を満たして有罪となれば、禁錮80年の刑が科される可能性があり、エプスタインを裁判に引っ張り出して被害者が怒りをぶちまけることができなくなってしまった今、性的虐待のネズミ講構築に尽力した共犯者マックスウェルに注目が集まるのは当然と言えるでしょう。

昨年5月27日からネットフリックスで配信されている「ジェフリー・エプスタイン:権力と背徳の億万長者」は、主に被害者(トラウマを生き延びたサバイバーと呼ばれる)の立場から、小児性愛者エプスタインが巧妙に構築した売春組織が発覚しそうになる度に、金の力かクライアントである権力者を恐喝して如何にエプスタイン帝国を守ってきたかが描かれています。大掛かりな組織の醜い内情を暴くこの手の暴露ドキュメンタリーが大好きな私は、早速飛びつきました。金さえあれば何をしてもお咎めを受けずに無傷でいられると信じている特権階級に吐き気を催し、サバイバー女性たちの長年の辛苦に涙しましたが、何よりも女を食い物にして自らの欲望を満たしたギレーヌ・マックスウェルに激しい憤りを感じました。と言う訳で、今回ご紹介するPeacock(NBCユニバーサル系の動画配信会社)初のオリジナル・ドキュメンタリー・シリーズ「Epstein’s Shadow: Ghislaine Maxwell」(訳:「エプスタインの影:ギレーヌ・マックスウェル」)が、主にマックスウェルとエプスタインの複雑怪奇な関係を全3話で紐解くと知り、大歓迎した次第です。

 

米国では6月24日、英国では6月28日に配信開始となりますが、メディアに送られて来た、スクリーナーの感想をお知らせします。第一話は、ギレーヌ・マックスウェルの生い立ちと父ロバートの関係、第二話は、NYでハイソ生活に復帰する為に、恋人として選んだジェフリー・エプスタインとの奇妙な関係、最終話は、フロリダでの刑期を終えたエプスタインとマックスウェルのNYでの動きと、エプスタイン逮捕後のギレーヌの生き様、収監先での模様、今後の展望を数々の関係者の証言で綴ります。

何よりも印象的だったのは、ギレーヌ=「キング・オブ・メディア」(2018年~)の最も強かなキャラ、シヴォーン・ロイ(サラ・スヌック)そのものだ?!と閃いた事でした。「キング・オブ・メディア」は、メディア王ルパート・マードック一族を模して描いたドラマだと言われていますが、マードックの宿敵ロバート・マックスウェル一族の末娘で後継者として父に溺愛されたギレーヌも、ロイ一族と同一の環境で育ったからです。情け容赦ない、業突く張り、金の亡者(マードックであれ、マックスウェルであれ、トランプであれ)に育てられると、子供は皆父親と同じ事を繰り返すのだ!と唸ってしまいました。親が作り出した生活環境しか体験していない子供が、親と全く違う人間に育つ事などあり得ませんから、可哀想と言えば可哀相なのですが. . .生い立ちが生い立ちだからと言って、ギレーヌの罪は言語道断、情状酌量の余地など全くありません。

又、このドキュメンタリーは、金融アドバイザーとは名ばかり、ゆすりたかりで財を成した詐欺師=どこの馬の骨だかわからないエプスタインに、英国/欧州から持ち込んだ各界のコネを利用して、仮初めの「箔をつけた」ギレーヌが、図らずも父親級の悪党に育て上げてしまったこと、贅沢な生活しか知らないお嬢様(父親の悪事はどうあれ)は、一旦手に入れた’安定’を維持する為には、エプスタインの言いなりになることも厭わなかったことを、幼馴染や友達の言葉を借りて指摘します。フロリダ州パームビーチの豪邸にいる時には、ギレーヌは家出少女や自尊心の低い少女を嗅ぎ分けて調達(リクルート)した上で、生け贄の仕込み係も務めたと言うのです。ったく!女の風上にもおけぬお嬢様!恥を知れ!恥がないから、何でも平気の平左でできるんでした。はい。

サバイバーのマリア・ファーマーが「ブルックリンの拘置所に入っているって言うけど、何も証拠がないじゃない?実はプラザホテルで悠々自適に暮らしてるんじゃないの?」と発言していますが、全く同感です。弁護士の腕と賄賂次第で何とでもなるからです。昨年12月には、トランプと絡みのあったテック成金(ヘッジファンド投資会社カーゴメトリックスのCEO)スコット・ボルガーソンと2016年に秘密裡に結婚した事が発覚しました。道理で、ボルガーソン名義の隠れ家で逮捕された訳です。更に、サバイバーに賠償金を持って行かれないように、昨夏ギレーヌ名義の財産を全て夫の口座に振り込んでいます。資産家の常套手段ですから、然もありなんとしか言いようがありません。

特権階級は、金さえあれば何でも買えると幼い頃から叩き込まれています。金に縁のない庶民や貧民には開いた口が塞がらない、何でもありの世界と、ギレーヌ(59歳)が11月に控えている人生最大の危機を金の力で、どう乗り切るかが見もの!だと、このドキュメンタリー・シリーズは綴ります。父ロバートと言い、エプスタインと言い、暗殺説があるからこそ、雲隠れしていた筈です。地獄の沙汰も金次第を地で行くギレーヌは、何とか生き延びようと裏工作をしているに違いありません。

人を人とも思わぬ1%の1%のことです。誰が傷付こうが、誰が破産しようが、誰が投獄されようが、知ったことではありません。自分にとって、利用価値があるか無いかを瞬時に見極め、利用価値が無くなれば、ぽいと捨てれば良いからです。それにしても、特権階級のやる事って、どれも似たり寄ったり!には笑ってしまいます。カナダの実業家ピーター・ナイガードのご乱行もバハマの崖っぷちに建てられた豪邸で続けられたと言いますから、特権階級の輪内で、ご乱行編、脱税編、贈賄編などのハウツー本が回覧されているのでは?と思ってしまうほどです。トランプ、クリントン、英国王室のアンドリュー王子、トランプ政権時に見え隠れした政治家/政府高官/弁護士/ロビイスト/胡散臭い輩、そして最も最近浮上したビル・ゲイツなど、同一キャラが顔を出す点も、特権階級の輪が如何に小さいかを物語っています。

私は、「小人閑居して不善をなす」と言う諺が大好きなのですが、このシリーズを観て、小人の中には特権階級が含まれているのだろうかと考えてしまいました。富豪贅沢三昧して不善をなしてどうするんですか?そして、不善を隠す為に、税金対策や広報効果もある無意味な慈善団体を設立して、善人の振りをすればするほど、良心の呵責(なんて無い. . .?)が読み取れて、ちゃんちゃらおかしいですよ!魂胆は見え見えですから。

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