研究チームは先日、史上初となるブラックホールが高密度な中性子星を飲み込む瞬間を目の当たりにしたと発表した。
そしてなんと、この10日後にも同じ状況に遭遇していたという。そのどちらのケースにおいても、ティースプーン1杯程度に10億トンもの重さのある中性子星がブラックホールに近づく軌道を描き、最後には衝突して飲み込まれてしまうというものだった。
研究チームは、中性子星が飲み込まれるまでの最後の500回分の軌道を観察している。その過程において、1分に満たないほんのわずかな時間で、観測可能な宇宙の全ての光と同じくらいのエネルギーを発生させたそうだ。
研究者の1人パトリック・ブレイディーは、「本当に一瞬のできごとでした」と語り、「ブラックホールにとっては、おいしいディナーだったことでしょう。それに、さらに大きくなることもできた。ほんの少しですがね」と続けた。
今回、ブラックホールと中性子星が衝突したことによるエネルギーの発生は、宇宙エネルギーの波紋である重力波を地球上の検出器がとらえたことによって発見された。2つの重力波は、それぞれ10億光年以上先からきていたという。2020年1月には検出されていたが、その後100人以上の科学者がデータを分析。その研究結果が、今週火曜のAstrophysical Journal Letters誌に掲載されることとなった。
これまで、2つのブラックホールが衝突した際の重力波や、2つの中性子星が衝突した際の重力波が検出されることはあったが、ブラックホールと中性子星の衝突を確認するのは初めてだという。
研究チームは、このようなブラックホールと中性子星が衝突する組み合わせはまだまだ存在すると考えているが、現在のところ他に発見されているものはないそうだ。
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