第77回ゴールデングローブ賞にて作品賞(コメディ/ミュージカル部門)、助演男優賞(ブラッド・ピット)、脚本賞(クエンティン・タランティーノ)と最多3冠に輝いた大ヒット作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。
本作は、1969年のロサンゼルスを舞台に、『ローズマリーの赤ちゃん』の監督ロマン・ポランスキーの妻で、駆け出しの女優だったシャロン・テートがハリウッドの自宅で惨殺されるという、実際に起きたショッキングなこの事件をモチーフに描かれている。本作は大ヒットしたが、今もなお反論が止まらないのが、ブルース・リーの描写だ。
タランティーノ監督のレンズを通して見ると、伝説の武術家であるリーは傲慢でお喋りなキャラクターである。さらにリーは、ブラッド・ピット演じるスタントマンに車へと投げ倒されてしまうのだ。監督は、「実際にリーには傲慢な面があった」とコメントしていたが、この描写は議論を巻き起こし、リーの娘であるシャノンも問題があるとコメント。そして問題はさらに悪化し、彼女は新たにTHRへ論説を寄稿した。
「すでにご存知のように、タランティーノ氏による『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でのブルース・リーの描写は、控えめに言ったとしても、不正確で不要なものでした。俳優のマイク・モーを責めるのはやめましょう。彼は与えられたものでできる限りのことをしたのですから」と彼女はつづった。「ハリウッドの白人男性がブルース・リーが誰であるかを教えようとすることに、私は本当にうんざり」。
ブルース・リーを演じたマイク・モー↓
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シャノンはまた、ハリウッドの利益のために父親のこれまでの記憶について改変させられてきたこと、そして白人の多い業界でアジア人として直面した困難についても指摘している。
タランティーノ監督がブルース・リーを敬愛していることはファンにとって明らかだったが、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公開後は、ファンの間で、タランティーノ監督のリーに対する敬意がそこまで深くなかったのでは?と疑問視されている。