先日、女優のスカーレット・ヨハンソンが自身が主演した映画『ブラック・ウィドウ』の公開方法をめぐって米ディズニー社を提訴したと報じられた。そんな中、長年にわたりディズニー社の弁護士を務めるダニエル・ペトロセリがコメントを出した。
今年7月にリリースされた『ブラック・ウィドウ』は、映画館と動画配信サービス「ディズニープラス」内で追加料金を支払い視聴する「プレミア・アクセス」の両方で同日に公開された。スカーレット・ヨハンソンの主張は「ディズニープラス」でも公開されたことにより、興行収入に応じて得られる報酬に影響が出たというものだ。
[PR]これを受けディズニー社の弁護団はコメントを出していたが、その後全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がディズニー側のこの動きに反発する声明を出していた。
ディズニー社の弁護士ダニエル・ペトロセリはVariety誌に対し、「一つ明らかなのは、これが高度に組織化されたPRキャンペーンだということだ。訴訟では得られない効果を得られるだろう。どんなに強い世論の圧力があったとしても、契約の内容を変えたり曖昧にすることはできないんだ。書面で交わされた契約ほど明確なものはない」と語った。
ペトロセリは、ディズニー社が『ブラック・ウィドウ』に関するスカーレットとの契約をいかに遵守しているかについて詳細をのべると、「ディズニープラス」で視聴されたことによって得られた利益もスカーレットに支払われるボーナスに含まれていることを明かした。
取材に対し彼は、「我々は、『プレミア・アクセス』を興行収入と同じようにとらえ、契約上のボーナスの項目に含めている。これはヨハンソンさんの利益につながるものだ」と語っている。
一方、SAG-AFTRAの組合長をつとめるガルリエル・カーテリスはディズニー側のこの姿勢を非難。「スカーレット・ヨハンソンは流通モデルが変化していく中で企業がなんとかごまかそうとしている不適切な報酬システムにスポットライトをあてている。どんな仕事であっても、予想外に報酬が減額されるようなことはあってはならないわ。理不尽であり、不正なものよ。ディズニー社をはじめとする関連企業は現在かなり好調なはずだから、利益に貢献しているパフォーマーには確実に補償していくべきだわ」と語っていた。
tvgrooveをフォロー!