反政府勢力タリバンが首都カブールを制圧したアフガニスタンで、国外への脱出をはかろうとした市民たちが、飛び立とうとする米軍の飛行機にしがみつく様子を撮影した映像が伝えらえた。
これは、アメリカの監視下におかれたカブール国際空港にて大使館職員らを避難させるために送り込まれた輸送機だった。
米政府の発表によると、この混乱によりアメリカ人兵士からの銃撃を受けた2人を含む少なくとも7人が死亡したという。銃撃を受けた2人は武器を所持していたとされているが、兵士に向けて使用されたかどうかについては明らかにされていない。
飛行機が離陸する直前の映像では、何百人もの人々が飛行機を追いかけており、中にはよじ登って側面にしがみつく者も数十人見られる。
Chaotic scenes as Afghans attempt to cling to US Air Force plane departing from Kabul
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— BBC News (World) (@BBCWorld) August 16, 2021
また、この混乱の中で何人が飛行機から落ちて亡くなったのかはわかっていないが、別の映像では、少なくとも2人が、急速に高度を上げる飛行機から落下する様子が収められていた。
さらに別角度から撮影された映像では、米軍兵士が空中にいかく射撃をする中、数百人もの人々が滑走路を走る様子が記録されていた。
この空港の混乱を受けて、米軍は滑走路から人々を排除するため、軍人と民間人の両方の避難を一時的に中断した。
米国務省報道官のジョン・カービーによると、カブールの空港では現在2500人の米軍兵士が避難支援にあたっており、火曜までにさらに1000人増えるという。
政府関係者は米国軍が空港の警備を維持することで、カブールに滞在するアメリカ国民や同盟国の人々を救出するのに十分な時間を確保できると考えているが、空港にたどり着けない人々については先が見えないという。
先週15日には、アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領が国外へ脱出。ガニ政権が事実上崩壊し、タリバンが首都を掌握したことにより、20年ぶりにタリバンによる支配が復活することとなった。