米人気オーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント(AGT)」に、圧巻のパフォーマンスで全米を感動の渦に巻き込んだ女性歌手ナイトバードが再登場。彼女の苦渋の決断に、審査員や多くの全米視聴者から応援の声があがっている。
【動画】世界に感動を与えたナイトバードの予選
ナイトバード(30)は6月初旬に全米で放送された「アメリカズ・ゴット・タレント」の予選に登場。その際、肺、脊椎、肝臓に腫瘍があり、生存率は2%、医師からは余命6か月の宣告を受けたと告白した。その後のステージでは自身のがんとの壮絶な闘いをつづった自作曲「It’s OK」を披露。透き通るような美しい歌声と、力強く前向きな歌詞が会場中の心を打ち、辛口審査員サイモン・コーウェルのゴールデン・ブザー(※)を獲得した。
※各審査員が1シーズンで1度だけ、もっとも気に入った参加者に押すことができるボタン。ゴールデン・ブザーを獲得した参加者は、そのまま準々決勝(生放送)に進むことができる。
ナイトバードの圧巻のパフォーマンスは世界中で大きな話題となり、優勝候補の呼び声も高かったものの、今月3日、がんの治療に専念するためにオーディションを棄権することを自身のインスタグラム上で発表した。
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「アメリカズ・ゴット・タレントで私の心を世界に向けて発信できたことは名誉なことで、夢が実現したといえます。この夏、私の目に映ったことは驚くべきものでした。私の歩んできた苦しみが、世界中の人々が目を見開いてくれるような美しさに作り変えられるなんて、なんという奇跡でしょう。 オーディション以来、私の体調は一転して悪化し、がんとの闘いは、私のすべてのエネルギーと集中が必要な状態です。私は、今シーズンのAGTを続けることができないことを発表するのがとても残念です。応援してくださったみなさま、ありがとうございました。すぐに元気になってみせます。私は自分の未来を計画しているのであって、遺産を計画しているわけではありません。ボロボロだけど、まだ夢があるんだから」と、棄権理由を彼女らしく前向きに説明した。
そんなナイトバードは、11日に開幕した「アメリカズ・ゴット・タレント」の準々決勝にビデオ通話で登場した。予選で彼女のパフォーマンスにゴールデン・ブザーを押した審査員サイモン・コーウェルは、「きみは今回、自分の健康を優先する決断をしたが、それは当然のこと。きみはライブショーに出演をしなくても、すでに勝利している。きみの予選は多くの人に勇気と希望を与え、きみ自身を体現するものだった」と彼女の決断を称えた後、「もっとも重要なのは、きみの健康と回復だ。ここにいる全員を代表して、愛と祈りを送ります。またすぐに会えることを楽しみにしているよ」と、声を詰まらせながらエールを送った。
【動画】AGTの舞台に再登場し、感謝の気持ちを述べたナイトバード
ナイトバードは、番組での挑戦をサポートしてくれた審査員に感謝を述べ、この経験によって“人間への信頼”を取り戻したと語った。
昨年の冬に医師から余命宣告を受けた後、結婚していたパートナーに離婚を切り出され、深い絶望の淵に立たされたナイトバード。その絶望を歌にのせて美しく昇華したことで、多くの人々を勇気づけたが、それと同時に彼女自身も救われていたようだ。彼女は最後に、「これは、私の人生でもっとも美しい出来事でした」と締めくくった。
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