イギリス国内の音楽チャートで5回の1位を獲得、トップ40にはこれまで30曲がランクイン、さらにトップ10に100週以上ランクインし続けた唯一のガールズグループのリトル・ミックス。
外から見れば、このグループのメンバーでいる限り、世界からの称賛と成功が約束された輝かしい人生を過ごせるように思える。
しかし昨年12月、メンバーの1人ジェシー・ネルソンはグループからの脱退を発表した。
彼女は一体、どのような思いを抱いていたのか。ソロデビューを前に、脱退までの経緯を振り返る。
ジェシー・ネルソンがインタビューで語ったところによると、脱退に至るまでにはさまざまな理由があったという。
そしてこの度、ジェシー本人がメンタルヘルスや体型の問題、そして他のメンバーとの関係にいたるまで、脱退を決意した理由をGuardian紙に赤裸々に語ってくれた。
ジェシーが抱えた体型への批判に関する悩みは、彼女のドキュメンタリー「Odd One Out」の中でも明かされている。
2013年、リトル・ミックスは、誕生のきっかけとなったオーディション番組「The X Factor」にゲスト出演しパフォーマンスを披露した。これを受け辛口で知られるタレントのケイティ・ホプキンスが、「リトル・ミックスにはまだぽっちゃりさんがいるのね。もはや、『リトル(小さな)・ミックス』ではないんじゃない?」と体型をイジるようなツイートを発信したのだ。
この時点でジェシー自身も、すでに悩み苦しんでいる状態だった。この後薬を大量摂取し、病院に運びこまれることとなる。
そして2020年、新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン以降、さらにジェシーに追い討ちをかけるできごとが起こる。
インタビューの中でジェシーは、「こんなことを言うと気を悪くする人もいるかもしれないんだけど、ロックダウンの期間中は私にとって最も幸せな時間だったの。ボーイフレンドとずっと一緒に、笑いながらふざけながら過ごした。こんな幸せ、しばらく感じていなかったなって実感したの。それなのに突然、『あ、そういえばミュージックビデオ撮るから』って2週間前に連絡があって。パニックになったわ。だって、体重が増えちゃっていたんだもの」と語り、「ミュージックビデオは撮ったけど、パニック発作に襲われた。その日は気分が上がらなかったわ。結局、それからずーっと沈んだままで、病院に戻ることになった。その時、母から『もうやめておきなさい』って言われたの」と明かした。
この時、ジェシーはすでに決断していたと言う。その後、ジェシーの母親と他のメンバーが話をし、脱退が決まった。
さらにジェシーは脱退の要因として、レコード会社を移籍したこともあると明かした。
2018年、彼女達のマネジメント会社とレコード会社が対立し、グループは別のレコード会社に移籍することになった。
ジェシーは当時について、「私たちが結成されてからずっと一緒のチームだったし、みんなを愛していたから、悔しい気持ちがあったの。彼らと一緒にいることで本物の『リトル・ミックス』になれていたから」と語っていた。